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サッカー元日本代表、新天地・米リーグで描く未来図
スポーツライター 杉浦大介

(2/2ページ)
2016/5/9 6:30
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ただ特筆すべきは、MLSではこうしてスター選手を抱えるチームばかりが目立つわけではないことだ。

「MLSはチーム間の実力差が大きくないかなと。ビジャとピルロがいるチームでも常に勝てるわけではない。どこのチームが優勝するか予想できないリーグ。そういったところに非常にレベルの高さを感じる」

フジテレビが放映権に関する契約

そんな工藤の言葉通り、ビジャやピルロらを擁するニューヨーク・シティーも昨季はプレーオフ進出を逃し、今季もここまで2勝4分け3敗。ジョビンコのトロントも4勝2分け3敗、カカ(ブラジル)のオーランドシティーも2勝5分け2敗と実力が伯仲している。創設21年目を迎えた米サッカーリーグは一部のスーパースターの個人技だけで勝てるほど甘い世界ではないということだろう。

そんなリーグは人気面でも着実に向上し、昨季の1試合の平均観客動員2万1574人は世界の全リーグの中で7位。これらの数字を見てもMLSの規模、興行は他に引けをとってはいない。

MLSが「ベテラン選手のキャリア最後の落ち着き先」とみなされていた時代は今は昔。力のあるリーグには人材が集まるのは当然なのだから、日本人選手が増えてきたこともその流れの一環だろう。今年1月にはACミランの本田圭佑が将来のMLS移籍を視野に入れているとコメントしたことが全米でもニュースになった。4月21日にはフジテレビが放映権に関する契約を結んだと発表するなど、日本での注目度も少しずつ上がりそうな気配がある。

とはいえ、まだ米国が「サッカー不毛の地」であると認識しているファン、選手が日本にも少なくない。そんな認識を変えるには、現在MLSに所属する日本人選手たちの活躍に委ねられる部分は大きいかもしれない。

「(フジテレビとの契約で)MLSの視聴が可能になったことで、多くの人に活躍を見てもらえる。おかげで米国でプレーしても日本代表選出の可能性が減る心配がなくなった。そして今後、MLSから日本代表入りする選手が現れれば日本の選手、関係者がMLSを認め、MLSも日本の選手を認める。認知度という意味で相乗効果があると思う」

中村氏はそう説明し、MLSでの活躍後にイタリア代表復帰を果たしたジョビンコの名を例に挙げた。同じように元日本代表である工藤、リオ五輪世代である遠藤が飛躍すれば……。

活躍次第で日米リーグの橋渡し役も

「(米国で)活躍している、点を取っているという情報が入れば、日本でも報道されると聞いた。そこで興味を持ってもらい、テレビで見てもらい、まずは結果でいろいろな人を注目させたい。視聴者だけではなく、協会関係者まで含めてね。(柏)レイソルでやっていた工藤壮人と、MLSから日本代表に選ばれる工藤壮人では(評価は)また違ってくるはず」

工藤はそう語り、MLSから明るい未来にも目を向けた。彼らが良いプレーすれば、米サッカーと日本サッカーをより深く結びつけられる。その先に、さらに多くの日本選手がMLSに新天地を求める時代がやってきても不思議はないはずだ。

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