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男子ゴルフ、陰の主役「AO」そして「I」
編集委員 吉良幸雄

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2016/5/5 6:30
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73歳の青木功に69歳の尾崎将司。金庚泰(キム・キョンテ、韓国)が片岡大育とのプレーオフを制し、国内開幕戦の東建ホームメイト杯に次ぐ今季2勝目を挙げた中日クラウンズ(5月1日最終日、名古屋GC和合=6545ヤード、パー70)で、初日に脚光を浴びたのは、日本ゴルフ界のレジェンドである「AO」だった。

青木の体調、試合で戦える状態でなく

青木は中日クラウンズでツアー史上最年長出場記録を更新した=共同

青木は中日クラウンズでツアー史上最年長出場記録を更新した=共同

3月に男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)のトップに就いたばかりの青木は、JGTO会長として初めて、レギュラーツアーに参加した。73歳7カ月でのツアー出場は、1975年日本プロ選手権の故宮本留吉の73歳21日を塗り替え、ツアー史上最年長出場記録となった。57回という長い歴史を誇る伝統の大会で、JGTO会長の肩書のついた「世界のアオキ」の顔見せは、初日の目玉ニュースとしてテレビや新聞などメディアでも大きく報じられた。ただ、この「作られた記録」にはちょっと首をかしげざるを得ない。選手・青木の体調が試合で戦えるような状態ではなかったからだ。

シニアでは昨秋もプレーしているが、レギュラーツアー出場となると昨年のこの大会以来。一昨年に手術をした左膝半月板はかなり良くなっているが、肩痛に加え、オフのハワイ合宿時に体調も崩した。海外ゴルフ団体との会議が行われたマスターズ・トーナメントから帰国したばかりの東建ホームメイト杯プロアマ戦前に行われた「鏡開き」の開幕セレモニーにも、体調不良で出席できなかった。

しかし過去に5勝し「クラウンズ男」と呼ばれた青木だけに、大会主催者から強い要請を受け、出場に踏み切った。「会長職を忘れてゴルフをやりたい。どんなゴルフになるのか、子どもの遠足みたいに楽しみ。コースにいられるのはハッピーだし、いくつ(スコアを)たたいてもやるよ。自分の体力を試す時が来た」。大会前日のプロアマ戦を終えると笑顔で抱負を語ったが、その後にアクシデントが起きた。ホテルに戻る車中で右足をぶつけ、以前から痛みがあった「職業病」の右足小指付け根あたりの魚の目状の皮膚を、病院で切除することになったのだ。

大会初日は痛み止めの薬を飲んでスタート。1番でティーショットをフェアウエーに運び最年長記録を更新した。第2打はバンカーにつかまったが、全盛時を思わせる絶妙のバンカーショットで1パットパーを拾い、2番(パー5)では第3打をピン奥1.5メートルのバーディーチャンスにつけてみせた(結果は惜しくもパー)。だが見せ場はそこまで。フェアウエーを歩き始めた直後から足をかばい、18ホール完走できるか危ぶまれる姿で、ゆっくりとしか歩けない。3番から4連続ボギーでずるずるスコアを崩すと、8番ではトリプルボギーをたたき、前半アウトは7オーバー。そのままクラブハウスに引き揚げ、棄権してしまった。

「ぶざまな姿で悔しい、記録も喜べず」

痛々しいスリッパ姿で「あんまり痛くて……。自分の役目は2日間やることだったけれど、痛みに耐えられなかった。ぶざまな姿で悔しい。18ホールを回れたならいいが、記録も喜べません」と歯ぎしりした。ただ、最年長記録を更新して大会を盛り上げたい、という事情はわかるが、やはりスタートする前に欠場という英断を下してほしかった。繰り上げ出場のチャンスを待ち、待機している選手もいたのだから。歴代王者らが出場する火曜日(4月26日)のイベント「チャンピオンズマッチ」、水曜日(同27日)のプロアマ戦にも参加していたのだし、それで十分だったのではないだろうか。

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