2019年8月19日(月)

イチロー、米3000安打も通過点 目指せ日米5000安打
ノンフィクション作家 小野俊哉

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2016/5/1 3:30 (2016/5/1 13:22更新)
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イチローが新たな大記録達成に近づいている。昨年までの大リーグ15年間で積み重ねた安打は2935本。4月30日時点の今季10安打を足すと、残り55本で3000安打に届く。110年以上の歴史がある大リーグでも29人しか達成していない。だが、打つのはあくまで野球の一部。足や守りも加味した野球選手トータルとしてのイチローの価値は、安打記録だけでは語り尽くせない。

「走攻守」のスーパースター

安打記録の前に同29日のブルワーズ戦で達成したのがメジャー通算500盗塁だ。遅かれ早かれ3000安打にも届くと仮定して、この両方を達成した選手が過去何人いるか。答えはわずか6人だ。

ブルワーズ戦で大リーグ通算500盗塁となる二盗を決めるイチロー=共同

ブルワーズ戦で大リーグ通算500盗塁となる二盗を決めるイチロー=共同

最も古くは2リーグ制になる前から活躍したホーナス・ワグナー(1897~1917年)。4191安打し生涯打率3割6分7厘の球聖タイ・カッブ(1905~1928年)。頭脳派二塁手の元祖エディー・コリンズ(1906~1930年)。阪急の福本豊氏が破るまで、盗塁の世界記録保持者だったルー・ブロック(1961~1979年)。現在ツインズで監督をしているポール・モリター(1978~1998年)。1406盗塁の歴代最高を走ったリッキー・ヘンダーソン(1979~2003年)。大リーグ史にその名を刻んだ伝説の名選手ばかりである。

イチローの大リーグ通算打率は昨季終了時点で3割1分4厘。3000安打、500盗塁に生涯打率3割以上という条件も加えると、上記6人のうちブロックとヘンダーソンが脱落する。イチローは3000安打だけなら30人目にすぎないが(それでも十分にすごいのだが)、500盗塁のスピードと3割を打つ安定性も合わせると史上5人目、戦後ではモリターに次いで2人目の偉大な選手ということになるのだ。

しかしモリターとイチローには大きな差がある。守備の能力だ。指名打者での出場が多かったモリターに対し、イチローはデビューの2001年から10年連続でゴールドグラブ賞に輝いた。3000安打達成者でゴールドグラブ賞(1957年創設)の受賞10回以上はウィリー・メイズ(1951~1973年)、アル・ケーライン(1953~1974年)、ロベルト・クレメンテ(1955~1972年)の3人しかいない。いずれもイチローと同じ外野手だが、660本塁打のメイズをはじめ彼らは強打の3番打者。走者を返すのが主な仕事ということもあり、盗塁は最も多いメイズでも338にとどまっている。つまり3000安打、通算打率3割、500盗塁、ゴールドグラブ賞10回以上はイチローしかいない。「走攻守」のスーパースターがイチロー。「リビング・レジェンド」(生ける伝説)と呼んで差し支えないだろう。

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