ルノワール展

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木漏れ日の庭 今も丘に

2016/5/4 3:30
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1876年、ルノワールはモンマルトルで印象派を代表する2つの傑作を手がけた。「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」と「ぶらんこ」だ。これらを仕上げたアトリエの建物は、いまも丘の上に残る。

ルノワールの「ぶらんこ」に描かれたモンマルトル美術館の中庭

ルノワールの「ぶらんこ」に描かれたモンマルトル美術館の中庭

「いらっしゃい、坂を上ってくるのは、ちょっと大変だったでしょう」。町の歴史を紹介するモンマルトル美術館で、学芸員のサスキア・オームスさんが出迎えてくれた。

中に入ると美しく手入れされた庭があり、「ルノワールの庭」と名付けられている。庭の片隅には木製のぶらんこが揺れていた。ここはもしや――。「そう! 『ぶらんこ』は、この庭が舞台です。彼は35歳の頃に1年間、ここの建物をアトリエとして使っていたんですよ」

建物は17世紀に貴族の邸宅として建てられ、19世紀には芸術家たちがアトリエにした。ルノワールもその一人。野趣に富む庭を気に入って、いくつかの作品に描いている。現在のぶらんこは数年前に復元したもの。当時の雰囲気を味わってもらおうと、絵を参考にして設置したという。

作品を見てみよう。木漏れ日が降り注ぐ庭で、ぶらんこ越しに男女がおしゃべりしている。女性は愛をささやかれているのかもしれない。少し顔をそむけて、はにかんだような笑顔を浮かべる。

カンバスに近づくと、チョンチョンと素早い筆致で色彩が置かれているのが分かる。印象派の画家たちが、光を表現するために用いた手法だ。

さて、2つの傑作を完成させた画家は、5年ほどたつと壁にぶち当たる。今の描き方では、人物が背景の中に溶けていってしまうと感じたのだ。危機を脱するため、旅に出る。新天地で刺激を受け、画法を大きく変えていく。「だから、印象派のルノワールを知りたければモンマルトルにこなくちゃね」と、オームスさんは力を込めた。

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