AI・ロボット活用しないと30年の雇用735万人減 経産省試算

2016/4/27 16:17
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 経済産業省は27日、人工知能(AI)やロボットなど技術革新をうまく取り込まなければ、2030年度には日本で働く人が15年度より735万人減るとの試算を発表した。海外企業にビジネスの仕組み作りを握られることで、日本企業の下請け化が進む。多くの仕事で賃金低下も進むと警鐘を鳴らした。産業の新陳代謝を進めれば、減少は161万人に抑えられるとして、日本企業に業界の枠を超えた産業再編や、企業の壁にとらわれない連携を促した。

 AIやロボットの就業構造への影響試算は、野村総合研究所と英オックスフォード大学による共同研究などがある。日本政府が試算をしたのは初めて。経産省は、野村総研とオックスフォード大学の研究結果をもとに、職業の類型を9つに分け、今後15年間の従業者数の推移をはじいた。

 現状放置シナリオと変革シナリオの2パターンを示し、速やかに変革を進めるべきだと訴えた。例えば、高度なコンサルティングを伴う営業・販売職は変革シナリオに基づくと、30年度までに114万人増えると予想する。ビッグデータの活用で顧客の需要の把握や新しいサービスの創出が可能になり、こうした技術を使いこなせる人がますます必要になると分析した。

 一方、ビッグデータを生かした新たな顧客サービスの創出が進まないと、高度なコンサルティングを伴う営業・販売が今より広がることはなく、従業者数も62万人減ってしまうとみている。

 営業・販売職については、スーパーのレジ係などロボットに取って代わられる可能性が高い「高代替確率」の仕事も分析している。こちらは変革シナリオでも、現状放置シナリオでも60万人以上の減少が避けられない。

 政府が試算をまとめたのは、国内産業の将来を取り巻く不安が強まっているため。産業の構造が似ているドイツでは「第4次産業革命」ともいわれる技術革新が進められているが、日本は大企業の動きが遅く、有望ベンチャーの台頭も限られている。政府の変革シナリオの前提には、企業や系列を越えたビッグデータの共有や、外国人就業者の活用、異なる業種同士の再編など日本が遅れているテーマが並ぶ。経産省は「痛みを伴う転換をするか、安定したじり貧を取るか」と、産業界にこれまでの延長線上にない変革を訴える。

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