自動運転タクシー走れ 千葉・幕張新都心で実証実験
千葉市は幕張新都心で車の自動運転の実証実験に乗り出す。自動運転車の開発企業などと組み、住宅街や商業施設周辺の公道で、運転手が乗って自動運転するタクシーを試験運行する。東京五輪・パラリンピックが開催される2020年をメドに実用化を目指す。運転手なしで完全自動運転するタクシーの実現に向けて、国に規制緩和を働きかけていく。
先端ロボット技術の実用化を目指し、文部科学省や企業、大学などでつくる「ユニバーサル未来社会推進協議会」は22日、幕張新都心で会合を開催。自動運転タクシーなどのサービス実現に向け「千葉市幕張新都心ワーキンググループ(作業部会)」を新設することを決めた。
作業部会は千葉市と幕張新都心に大規模な商業施設を構えるイオンモールのほか、ディー・エヌ・エー(DeNA)とロボット開発ベンチャーのZMP(東京・文京)が共同で設立した自動運転タクシーの開発会社、ロボットタクシー(東京・江東)で構成する。
実証実験にはロボットタクシーの自動運転車を使う。実施時期は未定だが、JR海浜幕張駅からイオンモールを結ぶ公道や住宅街「幕張ベイタウン」などでの実験を想定。カメラや全地球測位システム(GPS)などを搭載し、位置情報や障害物を確認しながら自動走行する。自動運転中も運転手が乗車し、緊急時は運転手が運転する。
ロボットタクシーは今年に入ってから、神奈川県藤沢市や仙台市の公道で自動運転タクシーの実証実験を実施している。
千葉市とロボットタクシーは今後、運転手が乗車しない完全な自動運転のタクシーサービスの実現を目指す。ただ、日本は車に運転者の乗車を義務付けたジュネーブ条約を採択しており、完全自動運転の実現に向けたハードルは高い。千葉市は国家戦略特区の制度を活用し、完全自動運転の実現に向けて必要な規制緩和を国に求める考えだ。