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益城町、旧耐震基準の全壊目立つ 新基準は熊本76%どまり

熊本地震による被災地で、家屋被害の状況が分かってきた。最大震度7を観測した熊本県益城町では700棟以上が全壊だった。建築基準法で耐震基準が強化された1981年以前に建てられた古い家屋の被害が目立つという。住宅の耐震化率の向上は全国的な課題になっている。

同町などによると、これまでに5400棟の損壊を確認しており、うち750棟が全壊だった。調査が進むにつれ、被害は拡大するとみられる。

この地域には古い家屋が多い。調査にあたった同町の杉浦信正都市計画課長は「全壊した家屋には旧耐震基準のものが相当数含まれていた」と話す。基礎部分がコンクリートではなく石に木の柱を立てた簡易な構造だったり、現行基準より重い屋根瓦が使われたりしていた。

同町では14日に震度7を観測して以降、16日未明の本震を含め大きな揺れに何度も見舞われた。杉浦課長は「最初の地震で柱が土台の石からずれるなど構造にダメージが生じ、その後に重い屋根が揺さぶられて倒壊したケースが多いのではないか」とみている。

81年の建築基準法改正で、住宅の耐震基準は引き上げられた。それまでの「震度5強で損傷しない」に加え、震度6強~7でも倒壊しない耐震性を求められるようになった。

国の調査では、全国の住宅約5200万戸のうち新基準を満たす住宅は約82%。熊本県は76%にとどまる。県は講演会などで補強工事の必要性を訴えてきたが、建築課の担当者は「南海トラフなど地震の予測がある他県に比べ、危機感が薄い面は否めない」と認める。

ただ耐震化の遅れは全国的な課題だ。首都直下地震が想定される東京都は、約663万戸の耐震化率の推計値は約83%(昨年3月時点)にとどまる。政府が昨年度までの目標とした90%に届かない。建て替えや補強には費用がかかるほか、マンションでは住民の合意形成が必要なケースもあるためだ。

名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫教授(耐震工学)は「都市部も補強工事に積極的とはいえない」と指摘。国が安価で効果的な工法を認定して補助金を出すなど「市民が震災を『我が事』として捉えやすい環境をつくる必要がある」としている。

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