食用油、国際価格の騰勢一服、パーム油は反落

2016/4/9 1:07
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揚げ物などに使う食用油の国際価格の騰勢が一服した。パーム油は指標となるマレーシア市場の先物価格(期近)が4月上旬現在、1トン2700リンギ前後。3月末の直近の高値より3%安く、大豆油も下げに転じた。パーム油は東南アジア産地の供給不安が薄れた。日本の食用油メーカーは採算改善へ値上げを模索しているが、難しくなりそうだ。

パーム油はアブラヤシから採れる。マレーシアとインドネシアで世界供給の9割を占める。この地域は2014年夏に発生したエルニーニョ現象(南米ペルー沖の海水温の異常上昇)の影響で高温・少雨となったほか、焼き畑農業の煙害もあって減産観測が出ていた。国際価格は16年3月末に一時、1トン2793リンギと約2年ぶりの高値をつけた。

需要は伸び悩んでいる。原油安で自動車に使うバイオディーゼル燃料の割高感が強まり、原料となるパーム油の消費量も減っている。景気減速に伴い最大の消費国である中国からの買い付け量も減少している。

気象庁によると、エルニーニョ現象は弱まっており、夏までに終息する可能性が高い。マレーシアのパーム油生産量は約100万トンだった2月を底に「3月から回復しそうだ」(伊藤忠商事傘下、食料マネジメントサポートの服部秀城リサーチ&ディベロップメント本部長)との見方も広がっている。

パーム油につれて値上がりしていた大豆油も国際価格が反落した。指標となるシカゴ市場の先物価格(期近)は4月上旬時点で1ポンド34セント前後。4月初めの直近の高値より2%安い。大豆油はこれまでファンド筋の買いが過去最高水準まで膨らんでいたが、利益確定の売りが出始めているとの指摘もある。

国際価格は日本の食用油メーカーなどが値決めする際の参考値となる。最近の円高・ドル安傾向もあって食用油の輸入価格は下がりそうだ。内需も外食産業向けなどが伸び悩んでおり、メーカー各社の大口需要家向けの取引で値上げが実現する可能性は低くなりそうだ。

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