2018年7月17日(火)

公示地価 大阪府 商業地上昇率 都道府県で首位

2016/3/23 6:00
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 国土交通省が22日発表した2016年の公示地価(1月1日時点)は、大阪府の商業地が3年連続で上昇し、上昇率4.2%と全国都道府県で1位だった。京都府も3.2%上昇し、訪日外国人客(インバウンド)増加の影響が広がっている。しかし住宅地は大阪府を除く5府県で下落が続き、人口減などで郊外の需要は冷え込んだままだ。

 ■商業地

 大阪府の上昇率が都道府県で1位になるのはデータの比較が可能な1975年以降で初めて。調査地点の中で全国上昇率1位になった大阪市中央区心斎橋筋2丁目は外国人客が多く集まる。店舗の収入が増えて土地の収益性が高まり、評価が上がった。

 一方で大阪市内では外国人客が急増して宿泊施設が足りなくなったのを受け、ホテル建設用地を手当てしようという動きが活発になり、地価を引き上げた地点も出てきた。不動産鑑定士の真里谷(まりや)和美氏は「場所によってホテル開発業者がマンション開発業者より高値で土地を買う例がある」と話す。

 京都府の上昇率は東京都に次ぎ、宮城県と同率の全国都道府県3位だった。地価上昇を主導するのはマンションやホテルを建設しようという意欲の高まりだ。

 インバウンド増加の効果が京都も顕著で、府内で上昇率が最高となった京都市東山区の四条通に面した祇園地区について不動産鑑定士の森口匠氏は「店舗やテナント需要が増えている」と説明する。

 兵庫県は0.5%とわずかだが、8年ぶりの上昇となった。駅周辺の再開発などを背景に神戸市、加古川市や宝塚市で上がった。滋賀県は3年連続で上昇し、上昇率1位は開発計画への期待があるJR守山駅前だった。

 奈良県は8年ぶりに下落を脱し、横ばいとなった。奈良市役所の周辺などホテルが進出を予定している付近では「人の流れが活発になるのを見込んで上昇の気配が出ている」(西都不動産研究所の竹村牧所長)という。

 和歌山県は1.3%下落。25年連続で下がったが、下落率は5年連続で縮小した。和歌山市は0.6%と25年ぶりに上昇に転じた。昨秋の国体開催に向け、市内の幹線道路の整備が進んだことなども、地価上昇の要因になったとみられる。

 ■住宅地

 大阪府は8年ぶりに下落を脱し、横ばいとなった。都心のマンション需要の高まりで大阪市の中心部が上昇した。京都府は8年連続の下落だが、下落率は15年から縮小した。京都市では中心部で人口回帰傾向にあり、マンション建設が相次ぐ上京区、中京区などが上昇した。

 兵庫県は8年連続の下落だった。ただし駅に近い場所での盛んなマンション建設などを背景に神戸市や西宮市は上昇が続いた。全調査地点の中での上昇率首位は神戸市灘区灘南通。西日本旅客鉄道(JR西日本)の摩耶駅が26日に開設され、交通の利便性が高まることへの期待がある。

 滋賀県も8年連続の下落。「駅から遠く空き家が増えている地域は下落率が大きい」(不動産鑑定士の浜本博志氏)。奈良県は大阪に通勤する面で交通が便利で生活環境も良い地域がある北部では上昇する地点があったが、人口が減っている中南部は下落が続き、県全体では8年連続で下がった。

 和歌山県の下落は25年連続だが、下落率は5年連続で縮小。県地域政策課は「道路網整備が進んだ和歌山市や有田川町で上昇した地点があった」と説明する。

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