2019年3月20日(水)

消費増税巡り割れる意見 初の国際金融経済分析会合

2016/3/17 0:47
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政府は16日、世界経済について有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」の初会合を開いた。講師のスティグリッツ米コロンビア大教授は世界経済の低迷を理由に2017年4月の消費税率引き上げは先送りすべきだと提言した。消費増税をめぐる意見は民間エコノミストの間で割れている。分析会合での意見は安倍晋三首相の判断に影響を与える可能性がありそうだ。

「15年はリーマン・ショック以降最悪の状況だったが、16年はさらに弱くなる」。スティグリッツ氏は会合でこう切り出し、現状の世界経済を「大低迷」と表現した。

米国と欧州の実質成長率は1980~98年から大幅に鈍化していると分析した。「欧米では中国経済の減速を埋め合わせることはできない」と強調。会合後に首相と個別に会談した後、記者団に「首相はおそらく(増税先送りを)確実に検討するだろう」と語った。

政府は今回の会合を消費増税を判断するために開いているわけではないと説明している。だが、うのみにする関係者は少ない。首相が国会答弁で増税を見送る条件として「リーマン・ショックのような事態」「世界経済の大幅な収縮が起こっている場合」などと言及しているためだ。

実際、17日に呼ぶ日本経済研究センターの岩田一政理事長は13年に開いた消費税の集中点検会合では「毎年1%ずつの増税とすべき」と主張。22日に招くノーベル経済学賞のクルーグマン氏も過去に首相に再増税の先送りを進言した経緯がある。政府関係者は講師について「増税慎重派を集めた」と明かす。

ただ、米国など主要国が軒並み実質マイナス成長に陥ったリーマン・ショック後の09年と現在では差がある。減速懸念はあるものの世界経済の16年の予想成長率はプラス。民間エコノミストの間では「リーマン・ショックのような事態には至っていない」との声が大勢だ。

17年の消費増税について民間の見方は割れている。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「足元の景気は厳しく経済成長重視の政策を打つべきだ」と増税延期を唱える。一方、クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「世界経済は弱いが、増税する一年後に後退するリスクは少ない」と主張する。大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは「増税はすべきだが、きめ細やかな万全の対策が不可欠だ」と語る。

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