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小学5・6年の英語教科化、休み時間・夏休み活用 文科省案

2020年度から小学5、6年生で正式な教科となる英語について、文部科学省は14日、休み時間や夏休みを活用し、必要な時間数を確保する案を明らかにした。週2コマ(1コマ45分)の授業時間を捻出するのが難しいためで、学校の事情に応じた柔軟なカリキュラム設定が必要だとした。

この日開かれた中央教育審議会(中教審)の小学校部会に示した。中教審は、20年度に全面実施予定の小学校の次期学習指導要領に向けて議論を進める。

小学校では現在5、6年生に対して英語に慣れ親しむ「外国語活動」(週1コマ)を行っている。文科省は小学校段階から「聞く、話す、読む、書く」の4技能を総合的に育成する必要があるとして、20年度から5、6年生は英語を正式教科(週2コマ)とすることを決定。外国語活動は小学3、4年に前倒しする。

4年生以上の授業は現在週28コマ。このほかにクラブや委員会などの課外活動の時間もあり、英語の週1コマ分を新たに捻出することが課題となっている。

14日に文科省が示した案によると、休み時間を利用したり、45分授業を60分に延長したりして15分程度の短時間学習の時間を確保する。これを週3回行って1コマとしたり、夏休みや冬休みなどに補習や英語キャンプを実施すれば授業時間を補えるとした。運用は学校に委ねる。

短時間学習は計算や漢字練習などで多くの小学校に広がっている。文科省の14年度調査によると、公立小の74.8%が導入。このうち週5日以上実施する学校は50.4%、週4日実施する学校も26.1%あった。成果があるとの回答は99.2%で、うち85.2%は「基礎的な知識が身に付いた」、30.2%が「積極的な学習習慣が身に付いた」と好意的に受け止めていた。

一方で、これ以上の時間のやりくりは難しいとの声もある。

東京都のある公立小では高学年を対象に既に昼休みを10分削って計算や漢字練習をするほか、朝や帰りの会でも読書時間を設けている。30代の男性教諭は「子供の休憩時間は確実に削られている。詰め込みにより伸び伸びとした思考ができなくなるのでは」と懸念する。

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