2019年3月23日(土)

新サッカー場、サンフレッチェが旧市民球場跡地を提案

2016/3/4 6:30
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サッカーのサンフレッチェ広島は3日、新サッカースタジアムの建設について、広島市中心部の旧広島市民球場跡地に建設する独自案を発表した。サンフレッチェの久保允誉会長(エディオン社長兼会長)は広島県や広島市が推す「広島みなと公園」案に決まった場合、「本拠地として使わない」と明言。今月中に結論が出る予定だったが、不透明感が強まっている。

県や市、広島商工会議所、広島県サッカー協会などは2013年6月にスタジアム建設に関する検討協議会を設置。当初の9案から旧市民球場跡地とみなと公園の2案に絞り、整備費の安さや店舗などを併設した複合施設化に十分な広さがあることから、みなと公園案を有力としている。

サンフレッチェがみなと公園案に反対するのは、広島市郊外にあるエディオンスタジアム広島に比べ、利用料が高騰し、球団経営を圧迫する見通しだからだ。両案の事業主体や運営体制を検討するため県と市、商議所が設置した作業部会は、みなと公園案の整備費を180億円と算定。これを前提にサンフレッチェが試算したところ、借り入れの返済原資となる使用料は年間5億6千万~7億6500万円になる。

現在のエディオンスタジアムの利用料は年1億円。サンフレッチェの営業利益は1億3千万円(2015年1月期)で、みなと公園案では「赤字に陥り、2年で債務超過になる」(久保会長)。 旧市民球場跡地は原爆ドームに隣接しており、景観を守るため、高さ規制がある。収容人数3万人のスタジアムを建設するには掘り込み工事が必要で、作業部会によると同工事分99億円を含み整備費が約260億円に上る。複合施設化も「敷地が狭く物理的に難しい」(県幹部)という。

これに対し、サンフレッチェの旧市民球場跡地案では収容人数を2万5千人に抑えて高さ規制をクリア。掘り込み工事をしないことで整備費を140億円に抑えることができると試算した。観客席の壁に開口部を設けて原爆ドームが見えるようにし、平和施設としての性格も持たせる。資金面でもサッカーくじの助成金や企業、市民からの寄付を活用するほか、久保会長個人とエディオンが30億円を寄付し、借り入れを45億円に抑えることができるとした。

久保会長は「サンフレッチェに意見を聞きに来た人はいなかった。市民球場跡地を求める40万人の署名も集まっている。利用者の声を聞かないのは市民の感情としても理解に苦しむ」と県や市への不信感をあらわにした。それが「みなと公園の場合、使わない」という強硬手段につながったようだ。

ただ、検討協議会にはサンフレッチェの小谷野薫前社長も委員として参加していた。報道陣の取材に応じた広島市の松井一実市長は「サンフレッチェの意見も十分に踏まえている」と反論。広島県の湯崎英彦知事は「サンフレッチェ側の負担額について誤解があるように感じる。久保会長も含めて話し合いを進めていく必要がある」と述べた。松井市長は3月末までに一定の方向性を出すという従来の方針は変わらないとした。

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