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認知症の高齢者見守り協定、全国に 800自治体が生協と

認知症の高齢者らの異変に直ちに対応するため、各地の生活協同組合と「見守り協定」を結んでいる全国の市区町村の数が、昨年末時点で全体の半数近い約800に上ることが2日、日本生活協同組合連合会(日本生協連)への取材で分かった。独自の配達ネットワークを活用し、行政と連携して高齢者の異変に対応する生協の取り組みが広がっている実態が明らかになった。

担当者は「協定を締結した市区町村の数は、全体(1741市区町村)の5割に迫りつつある」と説明。専門家は「地域全体で高齢者を守ろうという雰囲気の醸成につながる試み」と注目している。

日本生協連によると、昨年12月に市区町村などと見守り協定を結んでいる生協は全国で約90。多くは配達エリア内の複数の市区町村と締結している。具体的な内容は、(1)配達員が郵便受けに新聞がたまっているなど普段と違う様子に留意(2)不在で行方が分からなかったり、倒れていたりするなど異変に気付いたら行政の窓口に連絡(3)必要に応じて消防や警察にも通報――など。

生協と自治体との見守り協定締結の動きは2007年に始まり、その後急速に拡大した。「宅配時に家の中で立てなくなっていた独居のお年寄りを助けた」などのほか、最近では「道に迷っている人をデイサービスまで送った」「道路脇に倒れている高齢者を見つけ救急車を呼んだ」といった事例もあり、配達先以外の高齢者にも見守りの裾野が広がりつつある。

日本生協連福祉事業推進部の山際淳部長は「さらに多くの自治体と協定を結び、安心できる地域づくりに貢献したい」と話している。

厚生労働省によると、12年時点で65歳以上の認知症高齢者は462万人と推計される。関東学院大の副田あけみ教授(高齢者福祉論)は「プライバシーへの配慮など留意すべき点はあるが、見守りの網の目は細かいほどいい。ボランティア活動など地域包括ケアシステムのための地域資源が生まれるきっかけにもなるだろう」と指摘する。

▼日本生活協同組合連合会 消費者が組合員となって運営する各地の生協や生協連合会が加入する全国組織で、1951年3月に設立。昨年3月末時点で330団体が加入し、組合員総数は約2780万人に上る。〔共同〕

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