2018年11月13日(火)

REIT時価総額最大に マイナス金利下、利回り魅力

2016/2/26 1:20
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マイナス金利が広がるなか、投資家から小口の資金を集めオフィスビルや商業施設などの物件で運用する不動産投資信託(REIT)への資金流入が加速している。年3%以上の利回りが見込め、金融商品としての魅力が高まっているためだ。株価にあたる投資口価格が上昇し、東証に上場するREIT53銘柄の時価総額の合計は11兆5700億円と過去最大に膨らんだ。

11兆円の時価総額は、個別企業では日本で2番目に大きいNTTドコモの10兆4900億円を上回る規模だ。日銀がマイナス金利導入を発表する前日の1月28日から約1カ月で1兆円増えた。「アベノミクス相場」が始まった2012年末と比べると3倍近い。

金融緩和やマイナス金利下でREITが人気を集める理由は2つある。

まず他の金融商品と比べた投資妙味だ。上場REIT平均の年換算の予想分配金利回り(株の配当利回りに相当)は3%強。イオンのショッピングセンターなどで運用するREITは利回りが4%を超え、REITによっては5~6%の利回りのものもある。

2つめは、金利低下がREITの運用にもプラスに作用する点だ。REITは銀行借り入れや社債発行で資金を調達し、新たな不動産物件を仕入れる。金利が下がれば支払金利が減って利益が押し上げられ、それが投資家に支払われる分配金の増加につながるという好循環が生まれる。

運用額が最大の日本ビルファンド投資法人は今月、日本政策投資銀行などから0.3%台の金利で130億円を借りた。昨年9月の借入時の0.5%台から大幅に下がり、16年6月期決算では支払金利の減少が3億円の増益要因になる。みずほ証券の試算では、主要REITの借入金利が0.1%低下すると、利益拡大に伴って分配金は年間2%近く増える。

ただ金融緩和が長期間に及んだ結果、不動産の市況に過熱感も出始めている。REITにとっては、新規の物件取得と賃料の上昇が収益成長の原動力だが「オフィスビルなどでは海外主要都市と同様に高値警戒感があり、賃料の伸びも鈍い」(UBSアセットマネジメントのエリック・バーン氏)との指摘がある。マイナス金利の追い風だけでは、分配金が継続的に増えるとは限らない。

REIT相場の行きすぎた上昇にも注意が必要だ。上場REIT全体の値動きを示す東証REIT指数は年初から8%高で推移し、15%安の日経平均株価などとは対照的だ。分配金が変わらずにREIT相場だけが上がれば利回りは低下する。

世界のREITの時価総額は100兆円を超え過半は米国が占める。日本はオーストラリアと2位を競う位置にいる。

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