北陸新幹線延伸、なお曲折 自治体「小浜以西」で溝 「京都駅」も材料に

2016/2/18 10:06
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北陸新幹線の敦賀(福井県敦賀市)から大阪への延伸ルートを話し合う与党の検討委員会で、関係自治体の意見が出そろった。福井県と京都府は福井県小浜市を通る点では同じ意見だが、小浜から先の経路で考えに溝がある。石川、富山両県は京都駅と結ぶことを重視する。地域事情が絡み合い、年内に予定するルート決定まで曲折が予想される。

17日の同委員会では京都府と京都市、関西広域連合から意見を聞いた。検討委による沿線自治体の意見聴取が終わったため、今後は同委員会内でルート案の絞り込み作業に移る。

京都府の山田啓二知事は会合で、京都府北部の舞鶴市と京都駅を通る「舞鶴・京都ルート」を基本にすべきだと改めて主張した。山田知事は「できるだけ京都の経済効果がある形」と訴えた。

一方、小浜から京都を経由する「小浜(若狭)ルート」を主張するのが福井県だ。多くの旅客移動を見込める北陸―関西間を真っすぐ結び、時間短縮効果が大きいためだ。西日本旅客鉄道(JR西日本)は今年1月、同ルートを基に京都駅を経由する小浜・京都案を公表した。西川一誠知事は「望ましい案の一つ」と、十分に検討する考えを示した。

滋賀県は米原ルートが最適との立場だ。三日月大造知事は16日の記者会見で「国家的見地からみて検討に値する」と述べた。コストの低さや工事期間の短さなどが理由だ。一方、関西広域連合は17日の委員会で、同ルートにこだわらず、大阪までの早期整備を要望した。米原からの東海道新幹線への乗り入れなどJR側が技術的課題を指摘したためだ。

具体的な支持ルートを挙げていない自治体の中でも、絞り込みの判断材料を示す例がある。

石川県の谷本正憲知事は「京都駅を外すことは考えられない」との立場だ。同県と京都を行き来する人の多さなどが背景にある。同時に名古屋との往来にも目を配る。「米原ルートになれば名古屋への利便性はある程度確保される。敦賀から小浜に行くルートになった場合、敦賀―名古屋間をどうするかということが課題」と指摘する。

富山県の石井隆一知事も京都駅との時間短縮を重んじる。小浜・京都案や米原案は「選択の幅に入っている」と述べる一方、舞鶴経由は「蛇行していくルートはなかなか難しい」と否定的な見方を示す。

沿線自治体の意見は与党検討委がルートを絞り込む際の大きな判断材料となる。北陸3県は「建設費や時間短縮効果などの客観的なデータが国から示されれば、議論が収れんする」と見ているが、一本化には難航も予想される。

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