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北海道の人口2.2%減の538万人 札幌の一極集中進む

北海道は2015年国勢調査(速報)の結果をまとめた。道内人口は538万3579人で、10年の前回調査(確報)より2.2%減った。下落幅は前回と同じで過去最大。ピーク時(1995年、569万2321人)に比べ約30万人減り、旭川市に匹敵する人口規模が消えた。道内179市町村の9割超の171市町村で減少。一方で札幌市は2.1%増の195万3784人と、一極集中が一段と進んでいる。

総人口は4回連続の低下で減少傾向に歯止めがかからない。人口動態調査では2010~14年の4年間の、出生者から死亡者を差し引いた自然増減は年平均約2千人減。道統計課は「自然減に加え進学や就職で道外に流出する社会減が全体を押し下げた」と分析する。

男女別では男性253万6648人(2.6%減)に対して女性284万6931人(1.9%減)と男女差が拡大。男性の道外流出と、女性の長寿傾向を反映しているとみられる。

世帯数は244万502世帯で0.7%増とわずかに増えた。核家族化や単身世帯の上昇が要因だが増加幅は鈍化。人口減の勢いが世帯数の伸びを抑えている。

市町村別で人口が増えたのは8市町と前回の16市町村から半減。これに対して46市町村で減少率が10%を超えた。

減少率が最大だった夕張市は19%減。財政破綻により「老後や子育てなど地域の将来に不安を抱き転出する人が多いのではないか」(総務課)。前回道内で初めて人口1千人を割り込んだ音威子府村は16.4%減の832人とさらに縮小。国道のトンネル工事が15年7月に完了し、作業員が転出したことが響いた。

旭川市に隣接するベッドタウンの東神楽町(10.1%増)や東川町(3.3%増)は高い伸び。東神楽町は宅地造成が進み転入を促した。スキーリゾートのニセコ町(2.9%)はホテル新設による雇用増加や外国人の流入が寄与した。

札幌市は4万239人増で増加数は道内最大だった。道内人口に占める同市の割合は1.5ポイント上昇し、36.3%に達した。だが同市でも自然減が09年に始まっており、市は「人口はまもなく減少に転じる」(企画課)とみている。

人口問題に詳しい北大公共政策大学院の小磯修二特任教授は「予想された結果だが札幌への一極集中は大きな課題だ。人口を地方に分散させるため企業や教育機関の立地など、人口移動を促す政策を強化する必要がある」と話す。

高橋はるみ知事は「人口減の進行をできる限り抑制し、道民が安心して住み続けられる地域社会をつくることが大切。少子化対策、生活環境の整備、産業・雇用の場づくりなど総力を挙げて取り組む」とコメントを発表した。

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