2019年5月21日(火)

常葉大、4000人収容の新キャンパス 18年にも学部移管

2016/2/16 10:04
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ポーラ・オルビスホールディングス(HD)は15日、静岡市の工場跡地を常葉学園(同)に売却すると正式発表した。常葉学園は約4000人を収容する常葉大学の新キャンパスを整備し、JR草薙駅に近い点などを生かして志願者増につなげる。若年層の県外流出を食い止めるには魅力的な環境整備が不可欠であり、迅速な整備には行政の後押しが求められる。

ポーラHDが売却するのは子会社ポーラ化成工業(東京)が保有する旧静岡工場の跡地で、敷地面積は約4万3200平方メートル。「価格のほか、文化的意義も考慮し」(ポーラHD)、常葉学園への売却を決めた。18日付で譲渡契約を結び、3月中に引き渡す予定。売却額は公表していないが、38億円程度とみられる。

常葉学園はこの敷地に常葉大学の新キャンパスを建設する。常葉大は3月の理事会で学部や大学院の配置など具体的な活用法を決め、18年4月からの新キャンパスとして利用を始める計画だ。

常葉大学には法学部や健康科学部など10学部があるが、新キャンパスでは「新学部の設置は考えていない」(木宮岳志常務理事)。最寄り駅から遠い富士キャンパス(富士市)や建設から30年を超える瀬名キャンパス(静岡市)から既存学部を移管すると見られる。

少子高齢化の進展で18歳人口が減少する一方、全国的に大学や学部、学科の新増設が相次ぎ、募集定員が志願者総数を超える「大学全入時代」となったとの指摘がある。

常葉大でも全体では志願者が募集定員を超えているが、一部の学部では志願者全員が入学できる状況だ。常葉大では新キャンパス整備を機に志願者を増やし、「実質的な競争を生み、県内外から優秀な学生を集める」(木宮常務理事)狙いだ。

ただ、常葉学園が取得した敷地は工業地域に指定されており、大学校舎の建設には地元自治体の許可が必要となる。常葉学園では今後、静岡市に新キャンパスの整備計画を提出し、建設に向けた理解を求める考えで、市の幹部は「通学環境の整備など手助けできる点は支援したい」との意向を示している。

静岡県内には静岡大学をはじめ国公私立合わせて12の大学があるが、大学進学者の7割強が県外に流出している。静岡市が市立大学の設置構想を打ち出すなど若年層を引き留めるうえでも教育環境の充実は急務だ。

常葉大の新キャンパス計画について静岡経済研究所の望月毅主席研究員は「地域経済にとってプラス」と評価する。ただ、常葉大がより多くの若者を呼び込むには、新キャンパスの整備に加え、教授陣や講義内容などソフト面の充実も不可欠となる。

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