アジアで輝く次世代育成 関西財界セミナーが開幕

2016/2/5 10:03
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関西の企業経営者らが、経済や政治など幅広いテーマで2日間にわたり議論する「第54回関西財界セミナー」(関西経済連合会、関西経済同友会が主催)が4日開幕した。主な議題は「次世代」とし、過去3年続いた「成長」から変更。少子高齢化が進む中で、若い世代が活躍できる社会の実現などについて議論した。アジアとの連携や最先端技術の活用に関しても活発に意見が交わされた。

関経連の森詳介会長(関西電力会長)は全体会議での問題提起で、「環太平洋経済連携協定(TPP)を見据えれば、関西とアジアを橋渡しする人材の育成は急務」と強調した。今回は「次世代」を展望するテーマのひとつとして、第3分科会でアジアで活躍する「親関西」人材の育成を初めて取り上げた。

アジア太平洋研究所(APIR)の宮原秀夫所長は、海外からの私費留学生に対する支援が不足していると指摘し「アジアに展開する企業が個別にではなく、奨学金のファンド設立などに共同で取り組む必要がある」と提言した。

海外人材の研修などを手がける太平洋人材交流センター(PREX)の大坪清会長(レンゴー会長兼社長)は「(PREXの設立など)関西経済界はそれなりに努力してきたが、組織が分かれ過ぎているのではないか」と述べ、組織の集約やAPIRとの連携などを検討する考えを示した。

次世代の経済・政治のあり方を議論した第1分科会では、日本総研の湯元健治副理事長がアベノミクスを「雇用や企業業績は改善傾向だが、経済成長率は低成長のままだ」と指摘。「次世代支援には所得再配分ではなく、人材力の強化が要る」と述べ、人材育成の重要性を訴えた。

あらゆる機器がインターネットでつながるIoTや人工知能(AI)など、先端技術の開発が進む。第6分科会では、こうした先端技術を経営に生かす手法を議論した。情報が素早く処理され、生産や消費に多大な影響を与える現状が報告された。通信ネットワークの標準化や情報保護、技術の普及に向けた産学官の連携不足といった課題も挙がった。

川崎重工業の牧村実顧問はネットワークの構築で先行するドイツを例に、「国際標準化時代で後れをとっている」と指摘。「研究機関と企業が有機的につながる仕組みが必要だ」と話した。産業技術総合研究所の中鉢良治理事長も、サイバー技術では欧米が優勢とした上で「日本の強みである現場力とサイバー技術の一体化に注力すべきだ」と主張した。

訪日観光客が増えるなか、観光資源が豊富な関西の観光をどう発展させていくか。大阪や京都のホテルでは客室不足が深刻になりつつある。第4分科会で阪急電鉄の若林常夫専務は、「地方の宿泊施設へ誘客を分散するため、情報発信や支援のあり方を考える必要がある」と訴えた。

「観光はスマホに始まりスマホに終わる時代になった」と指摘したのは関西エアポートの山谷佳之最高経営責任者(CEO)。「口コミサイトでの発信や観光客に撮影されるような工夫が必要だ」と説いた。4日は過去最高の636人が参加した。

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