日経電子版、会員300万人突破 若者・女性に普及
アジア報道を強化
日本経済新聞社が発行する「日本経済新聞 電子版」の登録会員数(有料会員と無料登録会員の総数)が300万人を超えた。このうち有料会員数は45万人に達した。アジア報道をはじめとする記事の充実に加え、モバイル端末向けサービスの刷新で若いビジネスパーソンを中心に読者が広がっている。

日経電子版は2010年3月に創刊した。24時間体制で記事を配信し、パソコンやスマートフォン(スマホ)、タブレット(多機能携帯端末)で最新のニュースを取得できる。電子版独自のコラムや速報、日本経済新聞朝夕刊の記事など1日約900本を配信。有料会員はすべての記事とサービスが利用でき、無料登録会員は有料会員限定の記事を月10本まで読める。
新たに有料会員になる人のうち4人に1人が20代だ。電子版会員全体に占める20代の比率は5年前の12%から14%に上がった。女性会員の比率は19%と、5年前に比べ1.5倍になった。
15年11月に「アジア」セクションを新設した。ビジネスパーソンに関心が高いアジアのニュースを、日経の現地記者が掘り起こし質の高い記事を配信している。英フィナンシャル・タイムズ(FT)コーナーでは、翻訳記事だけでなく、共同編集した記事も掲載している。
スマホで情報収集する読者が増えているため、15年春にはスマホ向け「日経電子版アプリ」を全面刷新した。片手で読みやすいよう操作性を改善しアプリのダウンロード数も順調に伸びている。
今後は16年春にスマホなどで使う「日本経済新聞紙面ビューアーアプリ」を刷新し、画面の解像度が高い最新の端末で新聞の紙面をより鮮明に見られるようにする。就職活動にかかわる記事やセミナーなども充実し、幅広い年代に受け入れられる電子媒体を目指している。