三越伊勢丹の純利益33%増 15年4~12月、免税売上高2.4倍

2016/1/29 23:54
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三越伊勢丹ホールディングスが29日発表した2015年4~12月期連結決算は、純利益が前年同期比33%増の240億円だった。訪日外国人客の消費が伸び、免税売上高は約2.4倍に膨らんだ。半面、国内は中間層向けの商品の動きが鈍く、本格的な消費回復には至っていない。

29日夕刻。数日前にオープンした三越銀座店8階の空港型免税店は訪日客であふれていた。小さな子供を連れた家族やカップルなどが50万円以上する時計や化粧品について、販売員に熱心に質問を繰り返していた。店舗入り口にも集まる多くの外国人も、買い物袋を抱えていた。

4~12月期の売上高は3%増の9686億円。営業利益は16%増の307億円と最高益を更新した。インバウンドや富裕層の恩恵を受けたのは都心の大型旗艦店だ。「三越銀座店」の売上高が前年同期比で19.6%増、「伊勢丹新宿本店」が7.4%増、「三越日本橋本店」が2.4%増と大きく伸びた。

グループ全体の4~12月期の免税売上高は約2.4倍の約452億円だった。婦人靴など独自開発した商品の販売も好調で、百貨店事業の部門営業利益は22%増の204億円となった。

中国経済の減速が及ぼす影響について三越伊勢丹は足元で「大きな影響はない」と説明する。ただ人民元安は進み、上海総合指数は15年6月の高値に比べて半値近い水準にある。都心の旗艦3店の訪日客の客単価は10~12月で前年同期比約9%下落しており、株式市場では一時の爆発的な伸びは期待しにくくなるとの懸念が広がっている。

16年の訪日外国人客は2000万人を超えるとみられており、「インバウンドは巡航速度になっただけで、ある程度は今後も伸びる」(JPモルガン証券の村田大郎氏)との見方はある。16年3月期通期は営業最高益を更新する見通しだが、国内市場は先細りが避けられない。成長期待が大きいインバウンド消費の伸びが一巡で済むのか減速するかによって、来期業績への影響も変わってくる。

国内では中間層向けの商品が苦戦しており、引き続き地方店が振るわない。婦人衣料も8万円未満のコートの売れ行きが鈍いといい、「三越千葉店」や「伊勢丹相模原店」、「函館丸井今井」など地方・郊外店では売上高が前年同期を下回った店舗もある。

インバウンド消費の勢い鈍化は、これまではさほど目立たなかった国内の地方、郊外店や専門店事業という不採算部門の苦戦を浮き彫りにする。今後も伸びが期待できる旗艦店への改装投資などに加え、不採算部門の思い切った見直しなども必要になる。

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