ユニクロ、国内苦戦 消費者心理読み切れず

2016/1/8 1:01
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 年末年始商戦。ファーストリテイリングは4日までの予定だったユニクロのセール期間を5日まで延長した。「ヒートテック エクストラウォーム」(インナーシャツ)を4割強安い税別990円にするなど冬物衣料を大幅に値引き販売した。

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 11月、12月は「想定以上」(岡崎健最高財務責任者)の暖冬となり、実需期を迎えた冬物衣料は売れ行きに大きな影響を受けた。セールの販売比率が高まれば、利益の圧迫要因になる。それでも春物衣料の立ち上げを遅らせるわけにはいかないという苦肉の策だった。

 ユニクロの12月の国内既存店の売上高は前年同月比11.9%減と大きく落ち込んだ。しかし、その理由を暖冬だけで片付けることはできない。

 為替相場の円安や原材料の価格高騰を受け、ユニクロは14年に5%、15年にも10%の値上げを秋冬物への切り替えと同時に実施した。7日の記者会見で岡崎氏は「値上げの影響は限定的だった」と説明したものの、値上げが招いた客離れの影響は決して小さくない。12月の既存店の客数は14.6%減と7カ月連続の前年割れとなり、マイナス幅は2カ月連続で2桁に達した。

既存店の不振は暖冬だけが理由ではない(東京都中央区にあるユニクロ銀座店)
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既存店の不振は暖冬だけが理由ではない(東京都中央区にあるユニクロ銀座店)

 14年の値上げは消費増税後も既存店の好調が続くなかで実施。客数への影響は軽微にとどまり、既存店売上高は客単価の上昇が補う格好で前年実績を上回っていた。

 ユニクロは商品に磨きをかけ、お買い得感を高めることで消費者の支持を集めてきた。2度の値上げの結果、13年秋冬で税込み1500円だったエクストラウォームは税別1790円と消費者がレジで払うお金は400円以上増えている。

 円安や原料高が一段と利益の圧迫要因になるなか、「品質を守るには必要だった」(柳井正会長兼社長)という値上げ。大企業を中心とした賃上げといった消費者心理へのプラス材料もあったものの、2度目の判断は読みが甘かった。「ユニクロは高くなったから、買わなくなった」。東京都内に住む40歳代の主婦は今冬向けの肌着をほかのチェーン店で購入した。

 定番に品ぞろえを絞り込み、安く大量に売るユニクロのビジネスモデルは天候の影響を受けやすいのは確かだ。ライバルのカジュアル衣料チェーンも暖冬の影響は受けたものの、動きの良かったパンツや薄手のニットに販売を集中し、12月の既存店売上高はしまむらが8.5%増、アダストリアも4.6%増と売り上げを確保した。

 同じファストリ傘下でもユニクロより安い価格帯でファッション性の高い商品を扱うジーユーは9~11月の既存店売上高が2桁の増収だった。競合他社に先駆け、12月中旬に投入した春物衣料の売り上げは年末年始の商戦で冬物を上回った。

 年始の社員に向けたメッセージで柳井氏は「従来のやり方の延長線上にチャンスは来ない」と訴えた。ここ数年、ユニクロの国内店舗数は850前後で横ばいが続く。店舗数の上積みによる成長戦略と決別し、「顧客を必ず取り返す」と力を込める柳井氏。変革の手腕が問われている。

(岩戸寿、三島大地)

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