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軽減税率、800万事業者の経理3区分 中小は「みなし」も

自民、公明両党が最終調整中の消費税の軽減税率制度を2017年4月に導入すると、小売店や企業の経理のあり方が大きく変わる。全国800万事業者を売上高で3グループに分け、当初4年間は経理事務の負担が少ない簡素な経理方式でも納税できるようにする。21年4月からは納税額の不正を防ぐためにインボイス(税額票)に切り替えていく。2段階で経理方式を軽減税率に対応した仕組みに変える枠組みだ。

事業者は顧客から預かった消費税額から、仕入れ先に支払った消費税額を差し引いて納税額を計算する。軽減税率が始まれば商品ごとに税率や税額を記載した税額票の導入が必要になる。軽減税率の導入の混乱を避けるため17年4月時点では3つの経理方式が用意される。

まず、課税対象になる売上高が5000万円を超える事業者。軽減税率が始まる17年4月から、簡易型の税額票の導入を義務付ける。現行の請求書を使い軽減税率の対象品目には商品名の横に「※」などの印をつける。

軽減対象の品目を区別できるようにし、それぞれの合計の売上高を記載するやり方だ。21年4月には、商品ごとの税率や税額を厳密に管理する本格的な税額票に切り替える。

2グループ目は売上高1000万円超5000万円以下の事業者。17年4月から「みなし課税」と呼ぶ仕組みも選べるようになる。全体の売上高に占める軽減税率の対象品の割合をあらかじめ推計。実際の売上高にこの割合をかければ納税額を計算できるようにする。

請求書上に印をつける手間をかけなくて済む分、事務負担はやや軽くなる。ただ、本格的な税額票の導入までの暫定的な措置という位置づけで、21年4月以降は打ち切りとなる可能性もある。

3グループ目は1000万円以下の事業者。この事業者は今も消費税を納める義務を免除されている。17年度以降も免除されるため、経理のやり方は今と変わらない見込みだ。

納税すべき消費税が事業者の手元に残る「益税」が広がる懸念も強い。現時点でも年間で数千億円規模とされるが、売上高5000万円以下の事業者へのみなし課税の導入で納税額を正確に計算する必要がなくなり、益税が発生しやすくなる。

8%の軽減税率で仕入れた商品を10%の標準税率で仕入れたことにすれば、税金の控除をたくさん受けられる。こうした虚偽の申告が増える可能性も指摘されている。

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