仙台の地下鉄東西線開業 バス路線も再編、変わる市民の足
仙台市の地下鉄東西線が6日開業し、初日は10万9000人の乗客が利用した。東西線の開業と同時に、沿線の駅を起点とする新たなバス路線も開業。一方で、地下鉄に取って代わられた市営バス路線は本数を大幅に減らすなど、仙台市内の交通網が一変しつつある。
6日の東西線開業初日は、午前5時35分発の一番電車に乗るため、始発の荒井駅に夜明け前から多くの人が詰めかけた。山形県や東京都など県外から乗りに来た熱心な鉄道ファンの姿もあった。
東西線開通に合わせて宮城交通は6日、東西線の荒井駅とJR中野栄駅を結ぶ新たなバス路線の運行を始めた。同路線は人気スポットの「仙台うみの杜(もり)水族館」にも停車するため、多くの観光客の利用を見込んでいる。
一方、市営バスの路線もこの日から大きく変わった。市はこれまで八木山動物公園駅、薬師堂駅、荒井駅など東西線の沿線各地と市中心部を結んでいた路線を再編。便数を以前の4206便から3979便に減らした。
市は今後、東西線の黒字化に向けた努力を求められる。市は東西線の乗客数を1日あたり8万人と見積もっているが、震災から4年半がたち、市に流入する人口は減りつつある。当初計画通りの利用客を確保できるかどうかは不透明だ。
奥山恵美子市長は「地下鉄の企業体としての黒字化目標はもちろん大事だが、トータルの街としてみると地下鉄を持つ意味は大きい」と話す。
仙台市全体の人口の伸びが鈍るなか、市は沿線に人口を誘導する政策を打ち出して、学生や通勤客を中心に利用者を増やしたい考えだ。