2018年7月19日(木)

旅館・ホテルの再生ファンド、星野リゾートが政投銀と

2015/12/3 1:00
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 旅館・ホテル運営の星野リゾート(長野県軽井沢町)は日本政策投資銀行と共同で、経営難の旅館やホテルの再生を支援するファンドを設けると2日発表した。改装などの資金を供給するほか、星野リゾートの持つ運営ノウハウや予約システムなども提供する。訪日外国人の急増でホテル不足が目立つ一方で、地方の旅館はニーズをつかめず苦しんでいるところが多い。両社で協力してテコ入れを進め、旅行需要を取り込む。

 ファンドは星野リゾートと政投銀が折半出資し、月内に総額20億円で立ち上げる。後継者難のほか、資金が足りず老朽化した施設が改修できないといった課題を抱える宿泊施設に対し、出資や融資の形で資金を出す。1件あたりの金額は数億円を想定している。さらに他の出資者を募り、「ファンド規模を拡大していく」(星野リゾートの星野佳路代表)。

 星野リゾートはファンドを通じた支援を生かして中堅・中小事業者を「グループ化」し、宿泊施設のネットワークを拡大する狙いがある。現在、全国で34の施設を運営し、今後も都市部を含めて旅館やホテル展開を加速する考えだ。自社の拠点に加え、立地などに優れた旅館などを発掘、送客などで連携を深められれば、現在施設のない地域もカバーでき、拠点網の魅力が高まる。

 支援の方法として星野リゾートは、施設名称などを変えずに、事業者が経営を続けながら支援する形式のほか、支援先が望めば自社のブランドを付けて直接運営することも想定している。

 支援先に予約システムも開放する。訪日客はインターネットを通じて予約することが多いが、中堅・中小の旅館やホテルは負担が重く、システム構築ができていなかった。星野リゾートは利用料を徴収して、システム投資の一部を賄う狙いもある。

 政投銀は経営が悪化した施設を数多く立て直してきた星野リゾートと組むことで、地方旅館の再生を確実に進められる。同銀はこれまでも地方の宿泊業を支援し、相対的にリスクが高い先にも融資できる資金供給体制を築いてきた。接客など実務面で星野リゾートから助言を得られれば、潜在力のある施設の運営を軌道に乗せやすくなり、政府が進める訪日客拡大を後押しできるとみている。

 厚生労働省によると、2014年度末の旅館は約4万2000軒と、10年前に比べて3割減った。東京や大阪など大都市の宿泊施設は急増する訪日客で稼働率が高まり収益が改善しているが、地方の旅館で恩恵を受けているのは一部にとどまっていた。

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