雑草抑える小麦 福井県立大、大豆・野菜の減農薬栽培を後押し
福井県立大学は13日、雑草の繁殖を抑える効果がある小麦の新品種が農林水産省の制度に基づく品種登録を受けたと発表した。食用の小麦ではなく、大豆や野菜の横に植えて減農薬栽培を後押しする。種苗会社を通じて2016年度にも販売される見通しだ。
減農薬で雑草を抑える方法としては、作物の周囲をポリフィルムで覆う「マルチ」栽培が知られている。ポリフィルムの代わりに別の植物を横に植えるのが「リビングマルチ」栽培で、今回の小麦が該当する。
新しい品種は一般的な小麦と比べて成長しても草丈が低く、根の張りが浅い特徴を持つ。初夏に種をまくと、9月に立ち枯れするため、後片付けが要らない。
開発者で植物遺伝育種学が専門の村井耕二教授によると、リビングマルチに特化した小麦の品種登録は全国初という。
価格や発売時期など詳細は決まっていないが、村井教授は「減農薬で高付加価値化につながり、攻めの農業を実現できるツールの一つになる」と話している。