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関空、問われる「民」の集客手腕 オリックス連合に運営権

1994年の開港から約20年。関西国際空港の運営権をオリックス、バンシ・エアポートの企業連合が取得する。アジア各都市からの就航便の増加で関空の収益が伸びている今は民営化にとってまたとない時期だ。

「民営化でスピーディーな意思決定ができる。民間の発想で利用者の利便性などが増すことを期待したい」。新関西国際空港会社の安藤圭一社長は記者会見で運営権売却の意義をこう強調した。

オリックス連合は今後の事業計画でまずフランスやカンボジアなど海外25空港を運営するバンシのルートを生かし、欧米やアジアからの新たな航空会社の誘致を目指す。併せて、着陸料をこれまで以上に航空会社や時期などによって柔軟に割り引く方式にする。

さらに商業施設の運営に強みを持つオリックスが主導し、空港内や周辺に新たに商業施設を設ける。急増するアジアからの訪日客向けに高級ブランド店などを拡充するほか、乗り継ぎ客向けに宿泊料が安価なホテルの設置も計画。設備投資は新関空会社の現行水準を6割上回る年平均215億円を予定している。

「空港を飛行機に乗らなくても家族連れらが楽しめる『目的地』に変える」。安藤社長はオリックス連合が目指す空港像をこう表現する。景気の動向に左右されやすい航空会社の就航だけに頼らず、集客力をどれだけ高められるか。民間事業者の腕の見せどころになる。

運営権売却で最大の難関は44年間という長い契約期間だった。入札への参加がオリックス連合のみだったのも「時間リスク」を民間だけで担保することに二の足を踏む企業が相次いだためだ。入札に興味を示していたある大手企業の社長は「自分たちが生きていない44年後のことを後輩に押しつけるのは無責任」と応札を見送った。

結果的に入札に唯一参加することになったオリックス連合は新関空会社など国側との協議を優位に進めたとされる。契約書には収益環境の悪化などを想定し、「契約内容の修正は可能」「原子力発電所の事故などで被害を受けた場合には国側が一定額以上の復旧費用を負担する」といった条項が盛り込まれたようだ。

訪日客の増加で関空の業績は急伸し、新関空会社の16年3月期の決算も増収増益が確実だ。中国やアジア各都市への就航数では成田空港などを抜いてすでに国内最多となっている。民営化による競争力の押し上げで一気に上昇気流に乗ることができれば、「時間リスク」の担保も杞憂(きゆう)に終わる。

(伊藤正泰)

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