2019年7月24日(水)

旭化成建材の杭打ち工事、北海道で相次ぎ不正発覚

2015/10/30 11:48
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旭化成建材(東京・千代田)が手掛けた道内の工事で不正が止まらない。道庁は29日、同社が杭(くい)打ちを行った道発注の道営住宅新築工事で、新たにデータ流用が確認されたと発表した。28日夜から2日連続の不正発覚。道民の不安も高まっている。「業界に対する信頼が揺らいでしまう」。公共工事の減少で低迷する建設業界にとっては影響拡大が懸念される。不正はどこまで広がるのか。まだ終わりは見えない。

「会社の体質として問題があると言わざるをえない。非常に憤りを感じている」。昨晩に続いて記者会見に出席した道の長浜光弘建築局長は、語気を強めた。

工事物件は前日発表したものとは別の釧路市の道営住宅。だが工事の元請けは地元の建設会社などで作る共同企業体で、旭化成建材は2次下請けで参画するなど施工体制は類似点が多かった。

極め付きはデータ流用した旭化成建材の現場責任者が昨日の工事と同じだったことだ。道の調べでは、今回の件を含めてこの責任者が担当した道発注工事は少なくとも10件程度。責任者は既に退職しているが、理由や退職時期は不明だ。2件のデータ流用は氷山の一角だった疑いが出てきた。

問題工事が釧路市で続いた背景には旭化成建材の受注案件が道東に多いことが関係しているようだ。2件はいずれも北海道エア・ウォーター(札幌市)が1次下請けで参画。同社の請け負った杭打ち工事の多くは釧路市と帯広市の周辺で、旭化成建材が2次下請け。耐震補強などのため、「杭打ち工事は道内で地震が多い道東で需要が多い」(同社役員)という。

道は旭化成建材に同じ責任者が関与した工事を早急に調べるとともに、不正のあった施設の「安全性を確認するよう強く指示した」(長浜局長)。

相次ぐ不正に衝撃を受けるのが建設業界。道建設業協会は「今回の問題は建設需要に水を差す」と懸念する。すでに加盟企業に対し、旭化成建材が関わった工事を主体的に調査するよう要請するなど信頼回復に必死だ。

道内大手の岩田地崎建設の受注工事では、約10件で旭化成建材が関わっていた。同社は杭打ちのデータなどを集中的に調べているが「大規模な施設では杭の本数が数千本単位に上る」と膨大な確認作業に追われている。

旭化成建材絡みの1件で問題がなかったことを確認している中山組は、「他の会社も不正を働いているんじゃないかと思われるのは迷惑だ」と不満を隠さない。

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