スイーツ楽しめる「或る列車」 九州で誘致合戦

2015/10/29付
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九州旅客鉄道(JR九州)はスイーツを楽しめる豪華観光列車「或る列車」を11月1日から来年3月末まで長崎県内で運行する。4月以降の運行路線は決まっておらず、同社には複数の自治体から要望が来ているようだ。関係者によると沿線に厨房が確保できるかどうかが重要だという。

まず大分県内で走った8月8日~今月12日の約2カ月は乗車率9割と事実上の満員で「予想以上」の快走だった。地域の観光産業に波及効果も出ており、長崎でも期待が高まっている。

九州の旬の素材を使ったスイーツを楽しめる

九州の旬の素材を使ったスイーツを楽しめる

同社は長崎へのコース変更に先立つ28日、報道関係者向け試乗会を開いた。佐世保駅から長崎駅まで約2時間20分、大村湾沿いでは景色を楽しめるように一旦停止する場面もあった。著名シェフの成沢由浩氏が監修したスイーツは、長崎のミカンや佐賀のイチジクなど九州の旬の素材を使用。大分でのメニューを季節にあわせて一新した。

大分では38人の定員に対して平均34人が乗車。相席を避けるため空席ができることを考えれば、ほぼ満員だった。ただ2カ月の乗客総数は約2900人。「採算はとれている」(同社)ものの、収益への貢献は小さい。

一方、JR大分駅前の自社ホテルでの宿泊と合わせた旅行商品が売れたり、旅行会社が九州横断ツアーの目玉にしたりするケースも目立ったという。地域への誘客効果は着実に出ている。

JR九州の観光列車が長崎県内で発着するのは初めて。それだけに地元の観光関連業界は波及効果に熱い視線を注ぐ。長崎県観光連盟は「乗客に県内を周遊してもらえる」と期待する。

長崎コース以降の運行は決まっていないだけに、他の自治体も誘致を呼びかけているとみられる。その際に決め手の一つになるのは厨房の有無だという。列車内では軽食やスイーツの仕込みができないため、厨房であらかじめ調理し、車内のキッチンは盛りつけが中心だからだ。

長崎コースでは大村線の早岐駅に専用の厨房を新たに作った。大分コースも同様だ。厨房の確保に加え、窓外の景色など「次のコースは総合的に決める」(JR九州幹部)という。或る列車の経済効果がどれほどあるかはまだ不明だが、誘致合戦は熱を帯びそうだ。

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