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動機「調査中」繰り返す マンション傾斜、旭化成社長会見

「調査中でお答えできない」。横浜市都筑区の大型マンションが傾いた問題で、杭(くい)の工事データを改ざんした旭化成建材(東京)と親会社の旭化成が20日、発覚後、初めて記者会見した。改ざんの表面化から1週間、両社が把握してからは1カ月。ようやく開かれた会見で社長らは涙を浮かべて謝罪したが、改ざんを見逃した原因や他に不正はないのかとの質問には調査中を繰り返すばかり。住民らは対応の遅れを批判した。

2時間以上に及んだ記者会見の冒頭、旭化成の浅野敏雄社長(62)ら4人は「誠意をもって対応していきます」と深々と一礼した。社会に広がる不安を何とか払拭しようと、会見では「誠意」と「誠実」を繰り返した。

傾いたマンションの原因調査の過程で、両社が杭打ちの工事データに改ざんがあったことを確認したのは9月24日だが、記者会見を開いたのはこの日が初めて。浅野社長は「説明が遅れ、申し訳ない」と神妙な表情で謝罪した。マンション住民の不安な気持ちについて問われると、「深く反省している」と涙ぐみながら言葉を詰まらせる一幕も。着席後は肩を震わせながら、ハンカチで目元を拭った。

問題のマンションでは旭化成建材の現場担当者が杭の工事データを改ざんし、一部の杭は地盤が強固な「支持層」に達していなかった。担当者の改ざんの動機がデータの取得ミスなのか、杭が固い地盤まで届いていないことを隠すためだったのかや、他の建物にも不正がある可能性などに質問が集中したが、社長らは「調査中」を連発し、明らかにならなかった。

旭化成建材が過去10年に関わった工事は全国で約3千棟あり、旭化成が改ざんの有無を調査中。調査を指揮する平居正仁副社長(64)は「気休めかもしれないが、弊社の杭が原因で倒壊したり傾いたりした建物は他には一件もない。改ざんを把握したのも今回が初めて」と弁明する場面もあった。

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