オムロン、米産業ロボ会社を買収 制御機器と技術融合

2015/9/17 1:02
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米社買収を発表するオムロンの宮永執行役員専務(16日、大阪市中央区)

米社買収を発表するオムロンの宮永執行役員専務(16日、大阪市中央区)

オムロンは16日、米産業用ロボットメーカーのアデプトテクノロジー(カリフォルニア州)を買収すると発表した。買収額は約2億ドル(約240億円)の見込み。TOB(株式公開買い付け)で完全子会社にする。梱包や検査用ロボットに強いアデプトの技術と、オムロンの制御機器に関する技術を組み合わせ、自動化が遅れている検査工程などの市場を開拓する。

アデプトは米ナスダック市場に上場している。オムロンは23日から10月22日まで、1株当たり13ドルで買い付ける。合計で株式の過半数を持つ投資ファンド約10社はTOBに応じる意向を示しているといい、アデプトを完全子会社にする方針だ。

アデプトは搬送や組み立て、検査用のロボットを手掛ける。特に従来はロボットの導入が難しかった野菜や精肉など生鮮食品の梱包や検査分野で受注を重ねている。同日、記者会見したオムロンの宮永裕執行役員専務は「溶接などの加工工程は自動化が進んでいるが、今後は組み立てや検査工程の省人化が焦点になる」と買収の狙いを説明した。

オムロンは売上高の5割超を占め、営業利益の約7割を稼ぎ出す制御事業の強化を進めている。7月には高速制御に強い米機器メーカーの買収を発表するなど他社の技術やノウハウを取り込むことにも積極的だ。

今回の買収により、制御機器やセンサー、ロボットなど工場自動化の中核となる製品を、自前で一貫して開発できる体制が整う。「より高速、高精度で、保守も簡単なラインを構築できる」(宮永氏)

産業用ロボットは日欧大手が自動車向けの溶接ロボットなどで強さを発揮している。宮永氏は「大手と競合する既存のロボット市場は狙わない」と強調。先進国の高齢化や新興国の人件費上昇で、生産現場の人材不足が大きな課題となりつつあることから、労働集約的な色合いが残る組み立てや検査工程への応用に狙いを絞る。

アデプトの現在の売上高は約65億円だが、2020年をメドに数百億円への拡大を目指す。制御機器での競合企業に対して、ロボットも手掛けることを強みとし事業拡大につなげる。

 ▼アデプトテクノロジー 1983年設立で、2005年に米ナスダック市場に上場した。産業用の多関節ロボットや物流用の無人搬送ロボットを手掛ける。食品や医療、電子部品などの分野に強い。ロボットを制御する技術やセンサーなどでも豊富な技術を持つ。15年6月期の売上高は5420万ドル(約65億円)で、従業員数は170人。
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