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「フランス人の動向探れ」(熱風インバウンド)
1兆円市場の足音(4) 次の潮流にらみ一手

2015/8/14 18:00
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「フランス人を探せ」――。旅行業界は今、フランスや香港からの旅行客の動向に注目している。流行に敏感な彼らが旅行分野でもトレンドを先取りするからだ。日用品などを中国人らが大量購入する「爆買い」が注目を集めるが、訪日外国人(インバウンド)観光はどう進化するか。

城崎温泉を訪れた外国人観光客(6日、兵庫県豊岡市)

城崎温泉を訪れた外国人観光客(6日、兵庫県豊岡市)

「お城が新しくなったんだって。また見に行きたいよ」。姫路日仏協会(兵庫県姫路市)の白井智子会長のもとには、フランスの友人からこんなメールが頻繁に届く。世界文化遺産の姫路城。「欧州の城を思わせる白い壁など、フランス人を引きつける要素が詰まっている」という。今年3月の再オープン以降、姫路市の観光案内所を訪れたフランス人の数は台湾人、タイ人に次いで3番目に多い。

■ガイド本で紹介

志賀直哉の小説「城の崎にて」でも知られる城崎温泉(同県豊岡市)。夕方4時すぎになると、浴衣姿でゲタをカランコロンと鳴らして温泉街を歩く欧米人をよく目にする。目当ては7カ所ある「外湯」だ。

「城崎に来てからまだ2時間しかたってないけど、もう2カ所回ったよ。君はどこがいいと思う?」――。京都に泊まった後、城崎を訪れたという若いドイツ人男性は、英語で書かれた「温泉マップ」を手にあれこれと頭を悩ませていた。

街に欧米人が目立つようになったのは2007年ごろ。最初は地元の旅館関係者も何が起こっているかわからなかったが、欧米で定評のある旅行ガイド「ロンリープラネット」に紹介されていることが判明。13年には「ミシュラン・グリーンガイド」でも2つ星を獲得した。今年1~6月に城崎温泉に宿泊した訪日客は延べ1万3000人で前年同期から倍増。欧米人が4分の1強を占める。

「予約の半分以上が海外のお客様ということもある」と話すのは、老舗旅館「西村屋」の西村肇会長だ。欧米人やアジアの富裕層に好まれているのは、ホテルより日本旅館の方だ。連泊して、畳の部屋で和食を楽しみ、外湯を巡る。

■西の黄金ルート

ロンリープラネットは京都から西日本各地への周遊プランを提案している。その中で高野山などと並んで、城崎へのルートが紹介されている。日本より、むしろ欧米で知られた「関西のゴールデンルート」だ。

インバウンド需要の開拓では一歩遅れた神戸市が注目するのがタイ人だ。「ガイドブックに載っていない神戸ビーフの店が知りたい」――。6月、同市から委託されて現地でタイ人向け観光プロモーションを始めたコンサルティング会社の井芹二郎社長はそんな声を耳にする。タイ人が日本滞在中に飲食や買い物などに費やす支出は11万7000円(14年の平均単価、観光庁調べ)。美食家が多く、神戸のスイーツとも相性がいいという。

第2のゴールデンルートに――。神姫バスは4月から姫路と城崎温泉を結ぶルートに、Wi-Fiを配備した高速バスを走らせ始めた。新たな周遊ルートの模索が各所で始まっている。(この項おわり)

松田拓也、永井伸雄、下前俊輔、林英樹、伊藤正泰、池田拓也、越川智瑛、西岡杏、浦崎健人が担当しました。このシリーズは随時掲載します。

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