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終戦玉音放送の原盤、宮内庁が公開 「聖断」の場も

音声、息づかい伝わる

戦後70年に当たり、宮内庁は1日、昭和天皇がラジオを通じて国民に終戦を伝えた「玉音放送」などの録音原盤と音声を初めて公開した。これまで出回っている音声より鮮明で、重大な発表に臨む昭和天皇の息づかいも感じられる。同庁は昭和天皇が終戦の「聖断」を下した皇居内の地下施設・御文庫(おぶんこ)付属室の写真や映像も公表し、いずれも同庁ホームページに掲載する。

初公開されたのは「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ」という内容で知られ、1945年8月15日にラジオ放送された玉音放送のレコード原盤5枚と、翌46年5月に放送された「食糧問題の重要性に関する昭和天皇の御言葉」のレコード原盤1枚。6枚は1つのレコード缶に収められ、宮内庁が厳重に管理してきた。

宮内庁は昨年12月、専門家の協力を得て玉音盤を再生し、約4分30秒の音声をデジタル録音した。音声には経年劣化などによるパチパチという音が含まれる一方、昭和天皇の声がはっきり聞こえ、緊張感のある収録当時の雰囲気が伝わってくる。今年6月には天皇、皇后両陛下や皇太子さま、秋篠宮さまも音声を聞かれたという。

玉音盤は終戦前日の45年8月14日深夜、宮内省内廷庁舎(現宮内庁庁舎)で録音された。御政務室に置かれたマイクの前で昭和天皇が終戦の詔書を読み上げ、隣室で日本放送協会の技術職員が録音機を操作した。録音は2度行われ、翌日の放送には2度目の方が使われた。

2度目の録音原盤は2枚組と3枚組の計5枚あり、宮内庁が皇室の所蔵物として保管してきた。46年7月にはGHQ(連合国軍総司令部)に一時貸し出されており、テレビ放送などに使われてきた音声は、この際に複製された音源を基に複製されたものとみられている。

放送に使われなかった1度目の録音原盤7枚も宮内庁が戦後管理していたが、75年5月からNHK総合放送文化研究所に貸し出し、現在はNHK放送博物館で展示・保管されている。こちらは傷みが激しく再生不可能という。

御文庫付属室 壁や床 朽ち散在 「手を加えず管理へ」

御文庫付属室は戦後20年の1965年以来、50年ぶりの公開。付属室は吹上御苑・地主山の森林に埋もれたような状態にある。10トン爆弾にも耐える鉄筋コンクリート造りであるため、戦後70年を経た現在でも構造物としての強さは建設当時とほぼ変わっていない。

宮内庁の山本信一郎次長によると、気温30度ほどの時期でも付属室内は16~17度くらいでひんやりとしており、湿気が高いという。長年にわたり雨水や泥などが内部に流入し、換気をしていないため内部は結露が発生。このため木製の壁や床が朽ち果て、はがれた木材が散在している。金属製の扉はサビがひどく、トイレなどのタイルは剥落している。照明も壊れており、中は真っ暗。

戦後20年の1965年の公開時にはすでに天井に水滴がたまり、羽目板は湿気で膨れあがっていた。出入り口にかかったカーテンにはびっしりと青カビが生えている状態だった。

「昭和天皇実録」によると、昭和天皇は戦後9年たった54年2月に付属室を撤去できるかどうか側近に尋ねたことがある。しかし、取り壊しに経費がかかりすぎるためそのままになった。

山本次長によると、天皇陛下は以前に付属室内に入られたことがあり、皇太子さまと秋篠宮さまも今年7月中旬に見学されたという。同次長は「歴史的に意義ある資産なので、基本的には手を加えず管理していく」と話している。

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