2019年7月19日(金)

虐待情報を学校外と共有 西東京・中2自殺1年、市が専門員増

2015/7/30付
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父親から虐待を受けていた東京都西東京市の中学2年の男子生徒(当時14)が自ら命を絶って30日で1年。学校側は暴行の痕跡に気付いていながら、児童相談所への通告など必要な対策を取らなかった。市は再発防止に向け、虐待情報を外部と共有する態勢づくりに取り組んでいる。

生徒は昨年7月30日朝、自宅で死んでいるのが見つかった。生徒に日常的に暴行を加え、「24時間以内に首をつって死んでくれ」と迫ったなどとして、無職の父親(42)が自殺教唆や傷害の罪で起訴された(公判中)。

事件後、市の教育委員会は、市内の小中学校27校に対し1人しかいなかったスクールソーシャルワーカー(SSW)を3人に増員。それぞれ学校を巡回し、教諭や子供の相談に乗っている。

社会福祉の専門家であるSSWは、支援が必要な子供がいる場合、学校と児相など外部機関との橋渡し役となり、支援方法を提案する。

増員の背景には、担任教諭が2度、生徒の顔にあざがあるのを見つけ、本人も父親に殴られたと認めたにもかかわらず、学校として虐待と判断できなかった苦い経験がある。生徒が「いつもではない。大丈夫」と話したことなどが理由だったが、専門家らで構成する市の検証委員会は「虐待への感度や意識が十分ではなかった」と総括した。

検証委のメンバーだった池田清貴弁護士は「教諭が虐待の疑いを持っても、保護者との関係を重視して通告をためらうケースもある」と指摘。複数の視点から子供の状況を判断し、虐待などの問題を見逃さないために、SSWの活用が有効だと話す。

市は事件後、各学校で教諭の研修を実施しているほか、虐待の兆候がないか定期的に協議する場も設置。その結果、学校から市教委への虐待に関する報告は以前に比べ大幅に増えたという。市教育指導課の田中稔課長は「子供の小さな変化を見逃さず、共有する態勢をつくっていきたい」としている。〔共同〕

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