2019年5月20日(月)

「就活かえって長く」6割 文科省が大学に調査、卒論など支障

2015/6/26付
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就職活動の新たなスケジュールが今季から導入されたことで「学生の就活期間が長くなった」と考える大学が59%に上ることが25日、文部科学省の調査で分かった。授業や卒論に支障が出ると懸念する声も多かった。学生が勉強に専念できるよう、日程が従来よりも3~4カ月繰り下げられたが、大学側が逆の印象を持っていることが浮き彫りになった。

調査は5月、全国の国公私立の大学・短大から抽出した82校を対象に実施し、2016年春に卒業する学生の就活の状況を聞いた。「就活期間が短くなった」と答えた大学は17%にとどまった。「あまり変化はない」は21%。文科省は「懸念している。今後も検証したい」としている。

学事日程への影響は50%が「前年度より支障が増えそう」とした。授業への出席状況が悪化したり卒論の指導に支障が出たりすることを懸念する大学が目立った。「影響が小さくなる」との回答はわずか4%だった。

新スケジュールでは、企業が説明会などを始める時期が大学3年生の12月から3月、面接などの選考開始が4年生の4月から8月に繰り下げられた。だが、経団連に非加盟のIT企業や外資系はもっと早くから採用を進めるところが多い。

就職情報会社ディスコの武井房子キャリアリサーチ上席研究員は「大手が第1志望でも、滑り止めとして、選考が早い企業の内定を得ようとする学生が多い」とみる。インターンシップなどを通じた事実上の就活が、3年生の夏に始まるのは例年と変わらず、日程が遅くなった分だけ長期化しているという。

今年は学生優位の売り手市場とされ、優秀な学生を早く確保するため、加盟企業の一部が水面下で接触を始めたとの指摘もある。

東京理科大の小沢亮学生支援部次長は「企業も互いに疑心暗鬼になっており、動きが流動的だ。学生も混乱している」と指摘。立命館大の松原修キャリアセンター次長は「例年なら5月下旬に内定をもらい、卒業研究に打ち込めていた。就活が長引いて身が入らないようでは、本末転倒だ」と話している。

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