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運転支援技術で産学官タッグ、名大に研究施設オープン

名古屋大学は12日、産学官連携による革新的な技術開発を目的とした新しい施設をオープンした。自動車産業の集積地という中部地方の特徴を生かし、高齢者が自由に移動できるようなモビリティー(乗り物)社会の実現を主要な開発テーマに定めた。トヨタ自動車やパナソニックなどが参画し、施設内に拠点を構える。車の安全技術や運転者を支援するシステムの研究開発に弾みをつける。

トヨタやデンソー、パナソニックなどに加え、産業技術総合研究所や愛知県などが参画する。新施設「ナショナルイノベーションコンプレックス(NIC)」は、文部科学省の補助の対象になっている。地上8階建て、床面積は1万5000平方メートル。トヨタなど6社が入居し、「一つ屋根の下」で連携して研究開発を進める。

高齢者の活動の幅を広げるために新しいモビリティーの可能性を探る研究開発を主要テーマに据えた。施設の目玉の一つが、世界で初めて本格的な仮想空間内での運転・車両走行を再現した3次元(3D)ドライビング・シミュレーターだ。

約240インチの高精細な大型ディスプレーを前方、左右、後方の4面に備え、床面にも映像が映る仕組み。センサー付きの3Dメガネをかけて運転すると、運転者の動きに画面が連動するほか、運転席自体も電動シリンダーの伸縮で前後左右、上下に振動。実際に道路を走行している感覚で運転できる。

この設備を使って運転時の行動や生体情報を把握する検知技術を開発するほか、運転者の視線を調べて周囲の安全を確認しやすい車両形状や支援システムの研究開発に役立てる。交通標識を見逃しにくくし、安全走行につながる道路をつくるなど、交通インフラ全体の改善も目指す。

名大未来社会創造機構の原口哲之理特任教授は「現実に近い環境をつくることで運転者の行動を正確に研究できる」と話す。自動車業界では自動車が運転者の異常を事前に察知して自動で危険を回避したり、快適な運転を支援したりする技術の開発競争が激しくなっている。

名大は今夏をめどに自動運転に必要なソフトウエアを無償公開する方針だ。自動運転を含む自動車の新しい領域の研究開発では連携の動きが活発になっている。日本の産学官を代表する組織が手を組むことで基礎研究から実用化まで一貫して手掛ける枠組みが整う。

(亀井勝司)

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