2019年2月20日(水)

日本コカ・コーラ追撃 サントリー食品、JT事業買収

2015/5/26付
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記者会見で握手するサントリー食品インターナショナルの鳥井社長(左)とJTの大久保副社長(25日午後、東京都千代田区)

記者会見で握手するサントリー食品インターナショナルの鳥井社長(左)とJTの大久保副社長(25日午後、東京都千代田区)

サントリー食品インターナショナルが飲料自動販売機事業で1500億円の大型買収を決めた。自販機は値引きが少なく、消費者への重要な販売ルートだが、国内市場は約250万台で横ばいが続いている。設置が一巡し、新たな好立地の確保が難しくなっていることが背景にある。首位である日本コカ・コーラグループを追撃するには買収が不可欠と判断した。

買収する日本たばこ産業(JT)の子会社は26万台の自動販売機を運営する。特に、食品自販機や給茶機などを除くメーンの飲料自販機は17万台に上る。飲料総研(東京・新宿)によると単純合算した台数は、83万台を保有する日本コカグループに近づき、差はこれまでのほぼ半分になる。

買収の重要な要素になったのが、JT子会社が抱える自販機の競争力の高さだ。サントリー食品の小郷三朗副社長は25日、都内で開いた記者会見で「(JT子会社は)我々が獲得できない、業界でも屈指の優良立地の自販機を抱えている」と語った。過去の買収などが貢献し、定期的な利用が見込めるオフィスビル内などに多く自販機を抱えている。

立地の面だけでなく、規模拡大のメリットも大きい。

「(JT子会社の)ジャパンビバレッジホールディングスの商品供給ネットワークにサントリー食品の開発力を組み合わせることで付加価値を高めた総合飲料サービスを展開していく」。サントリー食品の鳥井信宏社長は意気込みを語った。

今後の自販機業界では、IT(情報技術)を活用した自販機運営の効率化、機材の共同調達などに加え、付加価値の高い商品を消費者にいかに提供できるかがカギを握る。首位の日本コカグループも同様の戦略を進めている。コスト競争力やデータ収集などの面で一定以上の規模を確保しておくことは欠かせない。

こうした思惑は、サントリー食品以外の大手も抱いていた。27万5千台の自販機を抱えるアサヒ飲料、21万台のキリンビバレッジなどビール系大手との争奪戦は激しく、JT2子会社の合計売上高1600億円強に匹敵する買収額となった。ジャパンビバレッジの2位株主であるサントリー食品にとって、4兆9千億円の国内飲料市場で生き抜くうえで、ライバルに奪われて脅威となることを避ける「防衛的」な意味合いもあったと指摘する向きは多い。

JTは2月、今年9月末をメドに収益が悪化していた清涼飲料の製造・販売事業からの撤退を発表し、自販機事業を持ち続けるメリットは薄いと考えたようだ。JTの大久保憲朗副社長は同日の記者会見で「『ルーツ』『桃の天然水』という2つのブランドを継承できるサントリー食品の提案を受けるのが一番良いと判断した」と語った。

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