新関空、商業収入伸びる 15年3月期、営業最高益に

2015/5/15付
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新関西国際空港会社が14日発表した2015年3月期の連結決算は、アジアからの観光客の増加が商業収入を押し上げ、営業利益が過去最高を更新した。大阪国際(伊丹)空港とあわせた運営権の年度内の売却を目指すため16年3月期の業績予想は公表しなかったが、増収増益となる公算が大きい。足元の好調さを運営権売却につなげたい構えだ。

「着陸料の割引などで航空ネットワークを広げ、商業事業の収入を拡大する『新関空モデル』が好回転で動き出した」。新関空会社の安藤圭一社長は14日の記者会見でこう強調した。15年3月期は中期計画の最終年度にあたるが、売上高や営業利益は計画を上回った。

ネットワークが広がれば航空便が増え、旅客数が増える。特に訪日客は土産の需要も見込める。実際、15年3月期の売上高に占める商業収入(大阪国際空港ターミナル分を除く)は35%と、前の期から5ポイント上昇した。関空の国際線の第1ターミナルの免税エリアは今年3月に1.4倍に拡張しており、その効果で16年3月期も伸びる見通しだ。

安藤社長は今後も成長のトレンドが続くと指摘。16年3月期の関空の旅客数は8%増の2168万人と開港以来、最高を見込む。前期に1538億円だった売上高は今期、1600億円を超えるとの見方も示した。足元の好調が続けば、営業利益も過去最高を更新する可能性が高い。

好決算は運営権の売却にも「プラス材料になっている」(安藤社長)。運営権の売却額を算出する際の指標になるEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は前の期比21%増の694億円と、計画の605億円を大きく上回った。

新関空会社によると、運営権売却後も同社に残る事業のコストなどを勘案すると、運営権を取得する企業側からみたEBITDAは759億円。一般にはこの10倍程度が買収額の目安とされており、「(将来の金利負担分などを除いて)計算すると11.5倍となり、(空港の運営権売却の)世界の事例をみても高くない」と安藤社長は言及。「投資家サイドからも今は価格が高いという声は基本的にはない」とも語った。

ただ、実際には、総額2兆2千億円とされる価格の高さや、45年間という運営期間の長さから、国内企業には慎重姿勢がなお強い。5月22日に1次入札の締め切りが迫っているが、空港運営大手の仏バンシ・エアポートと連合体を組んで入札参加の意向を示しているオリックス以外には、応札する企業連合体が出てこないとの見方が強まっている。

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