湖の「しましま」で町おこし 福井、7万年分の堆積層

2015/5/14付
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 化石や遺跡の年代を特定する世界標準の「物差し」として、福井県の水月湖(若狭町)の堆積層「年縞(ねんこう)」が注目を集めている。年輪のように1年ごとの層がしま模様を形成しており、県や町はこの「しましま」を使って教育目的の旅行や観光客を呼び込み、地域おこしにつなげようと力を入れている。

 水月湖は名勝三方五湖の一つ。プランクトンの死骸や鉱物など湖底に沈降する物が季節によって変わるため、堆積層がしま状になる。湖の深い場所は酸素がなく生物が生息できないため、しまが乱されずに残る。

 日欧の研究チームが堆積層の葉の化石を調べるなどして年代特定の物差し作成に成功。2012年、科学誌に発表したことから国内外での認知度が高まり、湖底の年縞は直接見られないが、地質に興味がある人たちが多く訪れるようになった。

 12年からは若狭町が船でクルーズしながら年縞や湖の環境について説明するツアーも本格的に開始。中高年を中心に人気で、キャンセル待ちが出るほどだ。

 若狭三方五湖観光協会の担当者によると、修学旅行で水月湖近くを訪れ、年縞の説明に興味を示していた台湾の高校生グループもあった。担当者は「教育を目的とした旅行を呼び込む新しい武器になりそうだ」と話し、今後、年縞の説明を充実させていくという。

 福井県も動きだした。採取した年縞約1メートル分を張り付けた展示パネルを作成。全国を回ってPRする考えだ。年縞の実物や分析データを研究機関に提供することも検討。県自然環境課は「国内外の研究者が福井を訪れるきっかけになってほしい」と期待を寄せる。〔共同〕

 ▼水月湖の年縞 年縞は湖底の堆積層にプランクトンの死骸や湖水から出た鉄分などが積もって描かれた模様で、年輪のように1年ごとの層がしま模様を形成。水月湖では日欧の研究チームが7万年分の層を確認した。

 チームは各年代の堆積層と、中から見つかった木の葉の化石に含まれる炭素の放射性同位体の量を組み合わせ、精度の高い年代測定の「物差し」を作成。歴史的な遺物の年代を決める物差しを定期的に見直している世界の研究者らが、水月湖のデータを使うことに合意した。国内では他に秋田などで同様の堆積層が見つかっている。〔共同〕

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