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Jフロント、千趣会の筆頭株主に 100億円出資

大丸松坂屋百貨店を傘下にもつJ・フロントリテイリングは17日、通販大手の千趣会の筆頭株主になると発表した。千趣会が実施する増資の引き受けなどで発行済み株式の22.62%を100億円で取得する。多くの顧客をもつ千趣会の販売チャネルを通じて自社製品を販売し、自社のインターネット通販とも相乗効果を狙う。市場が縮小する百貨店以外の事業を広げ、収益基盤を強固にする。

Jフロントは22日に千趣会の創業一族から株式の5.58%を取得する。5月7日に千趣会が保有する自己株式8.23%分と第三者割当増資で8.81%分を取得する。取得価格は1株846円。

「事業領域に互換性が強く、課題を補い合う関係だ」。Jフロントの山本良一社長は17日の記者会見で、提携の意義を語った。Jフロントは3つの課題を抱えている。(1)市場の大きい30~40代の女性への訴求力が弱まった(2)商品開発にかかるコストが高い(3)インターネット通販事業の伸びが鈍い――といった点だ。

千趣会との提携はJフロントの弱点を補う効果があるとみる。千趣会の顧客は1500万人で、年間の利用者数は400万人。うち92%が女性で、特に30~50代の女性が多い。取り扱う商品のうち78%がプライベートブランド(PB=自主企画)だ。ネットを通じた購入が75%を超える。

共同でPBを開発すれば、規模の利益で製造コストを抑えられる。通販のノウハウを吸収して自社のネット事業を強化する狙いもある。

Jフロントが百貨店業界で最高水準の利益額を稼いでいるのは、12年に子会社化した専門店ビル運営大手パルコの貢献が大きい。山本社長は「マルチリテイラーとして生きていくには事業の幅を広げないといけない」と述べ、百貨店以外との連携やM&A(合併・買収)を続ける考えだ。

ただ提携がどこまで成果を上げるかは不透明だ。セブン&アイ・ホールディングスは14年1月にカタログ通販大手のニッセンホールディングスを買収したが、かじ取りに苦戦している。14年12月期のニッセンの最終損益は85億円の赤字だった。セブン&アイは通販商品のセブンイレブンでの受け取りを検討するなど、テコ入れを進める。

千趣会の14年12月期の連結売上高は前の期比0.7%増の1425億円とほぼ横ばい。円安による仕入れコストの上昇などで純利益は55.6%減の約18億円となった。過去のピーク時の1998年3月期の売上高は1869億円だったが、この10年ほどは1400億円前後で推移していた。

Jフロントは千趣会を子会社化するわけではなく、関与が限定される可能性もある。両社の経営戦略を擦り合わせて、相乗効果をうまく引き出せるかどうかが問われる。

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