2019年1月21日(月)

スキーのコース外滑走、春も注意 雪崩起きやすく

2015/4/9付
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自然の雪山を滑る「バックカントリー」のスキーで遭難事故が相次いでいる。まっさらなゲレンデ外の雪を堪能できるため人気だが、立ち入るだけでも専門的な知識が必要になる。春山は冬より天候が安定するものの、専門家は「冬山と同じで危険度は高い」と警鐘を鳴らす。一部のスキー場は事故を防ぐ取り組みを進めている。

警察庁は、バックカントリー中の一部の遭難を「スキー登山」の遭難として集計。死者は2011年と12年はそれぞれ7人だったが、13年は20人に急増した。今シーズンは長野、新潟両県で6人が死亡、3人が行方不明となった。原因はほとんどが雪崩に遭ったためとみられる。

長野県松本市のスキーガイドの小峰邦良さんによると、バックカントリーはかつて雪山登山の一環として行われ、技術的なハードルが高かったが、バックカントリー用の用具が進化し挑戦しやすくなったという。ただ、小峰さんは「地図を見て山を登る技術や、雪崩を避けるための知識が必須だ」と強調する。

長野県警の担当者は「ゲレンデの延長感覚でコース外に出る人が遭難している」と分析。準備はしていても判断を誤る人がいるとし「春も雪が緩み、雪崩が起きやすい」と注意を呼びかける。

スキー場の安全管理が専門の中央大保健体育研究所客員研究員、有元崇浩さんは、バックカントリーを滑るスキーヤーの多くがリフトを使って山に入ると指摘し「スキー場と共同で安全をつくる意識が必要だ」と力説する。

北海道富良野市の富良野スキー場は有元さんの助言で、山へ出るための出口を4カ所作り、ゲートを設置したという。ほかのスキーヤーの滑走跡を見て「たどっていけば滑れる」と不十分な装備で追随する人をなくすためだ。バックカントリーのエリアを示した地図に行程を書き込める登山届も作成した。

北海道のニセコアンヌプリエリアのスキー場ではゲートを置いた上、悪天候時は閉鎖。ゲート手前などで積雪や気象関係の情報も伝えている。ゲートの運用に携わる登山家の新谷暁生さんは「個人で知識や装備を持つことは重要だが、スキー場側が外の状況を教え、用心させるのも事故防止に役立つ」と話している。〔共同〕

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