2019年1月19日(土)

新生銀「脱公的資金」へ背水 成長戦略づくり急務

2015/3/26付
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新生銀行は25日、当麻茂樹社長(66)が6月に退き、工藤英之常務執行役員(51)が後任社長に就くと発表した。リーマン危機で2年連続の巨額赤字に陥った同行を再建した当麻氏だが、2000億円を超す公的資金返済は手つかずだ。大手で唯一の公的資金注入行になるタイミングで就任する工藤社長は周回遅れを挽回する成長戦略が早急に求められる。

25日午後に都内で記者会見した当麻氏は2月に体調を崩して入院したことを明かし、「退任はもっぱら体調が原因」と説明した。療養中の2月半ばに旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)の後輩でもある工藤氏を呼び出し、後継指名した。退任後は相談役になる。

体調不良だけが今回のトップ交代の理由でないと見る業界関係者は多い。金融庁が新生銀への圧力を強めたのは、りそなホールディングス(HD)とあおぞら銀行の公的資金完済が見えた昨年秋。返済への道筋を示せない新生銀に厳しい態度で検査に入り、安定成長に向けた抜本的な経営改革を促した。

公的資金注入組で新生銀が取り残された一因は、当麻社長就任前の業績不振にある。2008~09年度の2年で出した計約2800億円の最終赤字が公的資金の残額を超す。消費者金融などを相次ぎ買収した積極策が裏目に出た格好で、堅実経営のりそなやあおぞらと差が付いた。

当時、金融庁も関与する形であおぞらとの経営統合交渉を進めたが、路線対立からほどなく破談した。こうした混乱のなか10年に迎えられた当麻氏はヘルスケア関連など新分野を開拓し、経営は落ち着きを取り戻した。それでも、優先株から普通株への転換で返済条件が厳しくなった公的資金は「とてもじゃないが返せない」(当麻氏)。周囲の視線は厳しさを増し、追い込まれた状況だ。

「背水の陣」で出発する新体制の課題は多い。工藤氏は「メガバンクとも地銀とも違う顧客に必要とされる銀行になれば収益もついてくる」と語る。八城政基社長の時代に築いた店舗サービス、ポルテ社長が挑んだノンバンク拡張策、そして当麻氏が加えた商業銀行スタイル。工藤社長は新生銀の持ち味を生かし、リテール(小口金融)を軸にした成長を探る。

工藤社長は年長の幹部や現場の行員、大株主をまとめ上げる指導力も問われる。旧日本長期信用銀行の破綻後、外国人や他行出身者が入れ替わりで経営を担い、行員の構成も国籍や性別が多様だ。幅広い人材が活力をうむ効果を期待できる一方、団結しにくい危険とも隣り合わせと言える。

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