トップ > 特集 > 被災地の今 > 記事

被災各地、住宅・産業再生へ決意 震災4年

2015/3/12付
保存
共有
印刷
その他

東日本大震災の発生から4年が経過した11日、被災各地で追悼式が開かれた。住宅再建や交通インフラの復旧が進んでいる地域もあるが、東京電力福島第1原子力発電所事故の爪痕は大きく、福島は事故の余波が続く。各地の式典では首長らが再建に取り組む決意を示す一方で、震災の風化を懸念する声もあった。

11日は各地で犠牲者を悼む式典が開かれた。岩手県野田村の小田祐士村長は県との合同追悼式で「住宅再建も始まり、今年は生活の再建が本格化する」と強調。同席した小泉進次郎復興政務官は「被災地は復興から地方創生に変わりつつある。過疎化や若者流出の課題に取り組む」などと話した。

仙台市の奥山恵美子市長は市内で開いた式典で「震災の風化が憂慮されるいま、一人ひとりが主体的に(震災で得た教訓を)発信することが大切」と挨拶。また、14日から始まる国連防災世界会議で復興をアピールする考えを示した。

一方、福島県の内堀雅雄知事は福島市内で開いた県主催の追悼式に出席。「どんな困難にも力をあわせ、あすの福島を切り開こう」と県民に呼びかけた。式典終了後の会見では「いよいよ5年目がスタートする。原子力災害からの復興と県全体の産業再生に力を注ぐ」と話した。

「社会の方向を向いて仕事をしなくてはいけない」――。地震発生時刻の午後2時46分、東京電力の広瀬直己社長は福島第1原発の免震重要棟内にある緊急時対策本部で社員約100人と黙とうした後、訓示に臨んだ。

広瀬社長は排水路からの汚染水の海洋流出に関する情報公開の遅れに触れ、「漁業者の思いをくみ、同じ方向を向いていたら違う対応ができたはずだ」と反省の言葉を述べた。その後、記者団に5年目の目標を問われると「(避難者が)古里に戻る判断に不安や迷いを生じさせないようにしたい」と力を込めた。

震災から4年がたち、企業や個人の間では防災に対する意識の高まりがみられる。

宮城第一信用金庫(仙台市)は11日、仙台駅近くの本店で防災訓練を実施。職員の安否確認の手順を調べ、炊き出しにも備えた。今回は仙台市から帰宅困難者の受け入れ要請があったとの想定で訓練を実施、寝具の用意や誘導方法などを点検した。矢野弘文理事長は「金庫の職員でも十分対応できるとわかった」と話した。

生活用品製造卸のアイリスオーヤマ(同)によると、防災用品の売れ行きが堅調だという。家具の転倒を防ぐ伸縮棒や懐中電灯などを詰めた避難セットは前年を超える伸びを示す。震災直後にそろえた水や菓子などの買い替え需要もあり、同社は「客の防災グッズに対するニーズはなくなっていない」とみている。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ

電子版トップ特集トップ