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「外れ馬券は経費」確定へ 営利目的の継続行為、最高裁初認定

競馬の払戻金を申告せず約5億7千万円を脱税したとして、所得税法違反罪に問われた元会社員の男性(41)の上告審で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は10日、「外れ馬券の購入費も経費に当たる」と判断し、検察側の上告を棄却した。

予想ソフトとインターネットを使って馬券を大量購入した今回の事例について、幅広い経費算入が可能になる「営利目的の継続的行為」だと最高裁が初めて認めた。公営ギャンブル全般で、同様の行為と認められれば経費算入が可能になりそうだ。

男性の購入方法の特殊性を重視し、外れ馬券も経費算入できると認めて脱税額を約5200万円とした一、二審判決が確定する。

同小法廷は判決理由で、男性が馬券の自動購入ソフトに独自の条件設定や計算式を加えてネットで大量購入していたという特殊性に着目。「長期間にわたって多数回かつ頻繁に網羅的な購入をして、多額の利益を恒常的に上げていた。一連の馬券購入は一体の経済活動としての実態があり、営利目的の継続的行為だ」として、外れ馬券の購入費用も必要経費に充当できる「雑所得」に当たるとした。

検察側は国税庁通達に基づき、当たり馬券の分の購入費用しか経費算入できない「一時所得」に当たると主張していた。

一審・大阪地裁は、男性の購入方法を「資産運用の一種」と認め、雑所得に当たると判断。脱税額は約5200万円にとどまるとし、懲役2月、執行猶予2年(求刑懲役1年)を言い渡した。二審・大阪高裁も支持した。

判決によると、男性は2007~09年に計28億7千万円分の馬券をネット購入し、総額30億1千万円の払戻金を得た。

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