2018年11月15日(木)

米GM、中国・上海汽車とインドネシア新工場

2015/2/3付
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米ゼネラル・モーターズ(GM)と中国・上海汽車集団は2日、7億ドル(約820億円)を投じインドネシアに年産能力15万台の工場を共同で建設すると発表した。2017年から低価格車を生産する。独フォルクスワーゲン(VW)もタイとインドネシアに工場を計画する。日本車がシェア8割を握る東南アジア市場に海外自動車大手が攻勢をかけ、成長市場を巡る競争が本格化する。

主な欧米自動車大手の東南アジア戦略
インドネシアタ イ
米ゼネラル・モーターズ(GM)
13年に年産4万台で工場の操業再開、日本車以外で初の小型ミニバン生産政府が生産誘致する小型車「エコカー」の第2期計画で認可取得、19年までに生産開始
中国・上海汽車と合弁で年産15万台の新工場、17年から低価格車を生産
米フォード・モーター
同上
独フォルクスワーゲン(VW)
17年までに年10万台規模の新工場建設を計画同上、新工場建設を計画

GMと上海汽車は中国合弁会社「上汽GM五菱汽車」を通じて投資する。首都ジャカルタ郊外の経済開発区で今夏に完成車工場を着工する。生産車種の第1弾は「五菱(ウーリン)」ブランドの小型ミニバン「五菱之光」が有力視されている。

五菱之光は排気量1000~1200ccで、中国では3万元(約55万円)前後で販売している。「中国郵政集団(チャイナポスト)」などが業務用に採用、地方ではマイカーとしても使われる。多人数乗りの車が売れ筋のインドネシアでも需要が見込めると判断した。

五菱ブランド車は14年の中国での販売台数が約180万台。GMの中国販売のほぼ半数を占め、VWに次ぐシェア2位へ躍進する原動力となった。インドやエジプトで現地生産しているが、東南アジアでは初となる。

中国で「五菱車」は「生活の足」としても使われる(新疆ウイグル自治区アクス市)

中国で「五菱車」は「生活の足」としても使われる(新疆ウイグル自治区アクス市)

インドでは「シボレー」ブランドで販売している。インドネシアでは五菱ブランドを使う方針。同国では13年から小型ミニバン「シボレー・スピン」を生産しており、差異化が狙い。日本車で代表的なトヨタ自動車の小型ミニバン「アバンザ」の価格は150万円前後。スピンはほぼ同じ約140万円からなのに対し、五菱ブランド車は「5千ドルカー」(約60万円)として売り出す考えだ。

初めて車を買う顧客を獲得し所得向上に伴う買い替え需要を取り込む戦略で「将来はシボレー、ビュイックといった上級車種へ乗り換えを促す」(GM中国法人幹部)。

上海汽車の利点も大きい。14年に560万台を販売し中国最大の自動車メーカーとなったが、9割強はGMやVWとの合弁を通じた海外ブランド車だ。自主ブランド車で海外に出るには技術や販売力不足で、有力企業と共に海外進出する。タイでも最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと組み、昨年から「MGブランド」の小型車を生産・販売している。

GMは昨年、国際事業の統括本部を中国・上海市からシンガポールに移した。米国に次ぐ規模の中国から分離し成長著しい東南アジアやインド市場開拓に本腰を入れる。

すでに年18万台の生産能力を持つタイでは、インドネシアが手本とした小型車優遇制度「エコカー計画」の第2期への参加を申請した。スピンは05年に一度休止し、13年に操業再開したインドネシア工場が生産を担う。

タイで年産30万台近い能力を持つ米フォード・モーターもエコカー計画に名乗りを上げた。東南アジアに本格的な生産拠点がなかったVWもタイにエコカー工場を設け、インドネシアでも17年までに年10万台規模の工場新設を計画している。

 バンコク=高橋徹、北京=阿部哲也

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