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関空、LCCハブ化戦略(関西の羅針盤)
第7章 アジアと生きる(6)

2015/1/27付
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「松山から関空で乗り継いで台湾に」「沖縄から関空経由で札幌へ」。国内主要空港で最も格安航空会社(LCC)網が充実する関西国際空港ではこうした乗り継ぎが低運賃で可能だ。

■訪日客層広げる

 実際、LCCのピーチ・アビエーションが発着する第2ターミナル(T2)と、航空大手や他のLCCが発着する第1ターミナル(T1)の間を往来する利用客の姿が目立つようになっている。2012年3月に就航したピーチを中心に増えるLCCの便数は国際線で2割を超え、国内線では6割程度を占める。

シンガポールのチャンギ空港や韓国の仁川空港の搭乗者数に比べると、首都に立地せずビジネス需要も弱い関空は遠く及ばない。しかしLCCに限れば便数そのものは少ないが、国際線に占める比率はチャンギなどより高い。関空ではT2が手狭になり、16年後半の使用開始に向け第3ターミナルの整備に着手。第4ターミナルの構想もある。

関西学院大学の野村宗訓教授は「LCCは訪日する外国人層の幅を広げる効果がある」と指摘する。外国人客の誘致に力を入れる関西圏に、関空の「LCCハブ化」の利点は大きい。

■「3空港」議論を

LCCハブを巡っては今後、国内空港間の競争が厳しさを増す。関空を拠点とするピーチはアジアにより近い那覇空港、乗り継ぎが充実し4月にはLCC専用ターミナルの運用が始まる成田空港も重視し始めた。

関空は便数の少ない欧米路線を改善しつつ、当面は訪日需要の強いアジアの路線を増やす戦略をとっている。「LCCは航空大手の運休で穴があいた国内線網を埋めてきている」(新関空会社幹部)状況だが、さらに充実すれば乗り継ぎの利便性も高まる。

首都圏では東京五輪をにらみ、羽田の国際化などの改革が手探りながら進む。関空は大阪国際(伊丹)空港とあわせて45年間の運営権を売却し、16年1月の完全民営化を目指すが、神戸も含めた3空港の役割分担は議論が深まらない。

関空支援の要素が強い伊丹、神戸の発着制限は「完全民営化」や「3空港一体運営」の実現をきっかけに見直すとの見方が強いが、制限緩和は早い方が効果も大きい。それぞれの地元自治体や経済界、中央省庁などの交錯する思いはいったん収め、利便性の向上や関西全体の成長を見すえた改革論議に踏み出すべきだ。

(飯山順)

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