途絶えた現地報告 拘束のジャーナリスト後藤さん

2015/1/21付
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中東の過激派「イスラム国」を名乗るグループに拘束された日本人2人のうち、フリージャーナリストの後藤健二さん(47)は、過去にもシリアの国境の街に取材に入り、緊迫した同国内の空気や人々の表情を伝えていた。非情な「殺害警告」から一夜明け、人柄を知る関係者は「無事に帰ってきて」と祈り続けた。

後藤さんが昨年10月にインターネット上で「シリア現地リポート」として発信した動画は、同月2~3日に計8回で、それぞれ約30秒の長さ。

10月2日の最初の動画は「トルコからシリアへの入国」とし、シリア国境に近いトルコの空港に到着した飛行機の映像から始まる。

その後、「脱出する避難民の様子」として国境ゲート付近に集まった大勢の人々の様子が映る。鉄格子に囲まれた道路を大きなかばんと赤ちゃんを抱きかかえて歩く女性は、顔を黒っぽい布で隠している。ジーンズ姿でリュックを背負い、屈託ない表情で笑う子供も撮影されていた。

「これが通行証です。これがないとシリアの反政府勢力の支配地域どこも通行できません」。続いて投稿された映像では、日焼けした顔の後藤さんが、印字とスタンプが押された通行証とみられる用紙を両手で持ってレンズに示している。

翌3日付の動画は「シリア国境の町、コバニ」。イスラム国の攻撃を受けるシリア北部クルド人の街アインアルアラブのクルド名だ。後藤さんは荒涼とした褐色の土地に立ち、背後には木々の間に衣服を掛けて立ち尽くす住民の姿が見える。

遠くに白っぽい建物などが映った方向を示しながら、「町のまわりをイスラム国が取り巻いて、攻撃を仕掛けています」と真剣な表情でリポート。爆発によるとみられる煙が上がる様子も撮影され、「すぐ向こうにイスラム国の戦車が見える」と説明した。

同じ3日に投稿された通算8回目の動画には「無力感をあらわにするコバニ市民」とのタイトルが付けられ、Tシャツやポロシャツを着た現地の住民とみられる男性3人が悲痛な表情で話す様子が映っていた。

短文投稿サイト、ツイッターの後藤さんの投稿などによると、後藤さんは昨年10月8日前後にはいったん日本に帰国。その後、再びシリアに向かったとみられ、ツイッターの投稿は同月23日を最後に更新が途絶えている。

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