海底プレート(岩板)の移動に伴い、日本列島に近づく方向に動いている南鳥島(東京都小笠原村)の速度が、2011年の東日本大震災以降、約1割加速していることが北海道大学と静岡大学のチームの研究で4日明らかになった。南鳥島は日本最東端の島。西に進むことで、日本全体の縮小が加速したとみることもできる。
南鳥島が載る太平洋プレートは日本列島が載るプレートの下に沈み込んでいるが、大震災後に加速している。大震災の前後で、プレート同士の摩擦が弱まったことが原因とみられる。
南鳥島は震源から東南に約2千キロ離れている。チームの日置幸介・北大教授(測地学)は「大震災が地球に与えた影響の大きさを再認識させられる結果だ」と話している。
チームは人工衛星による測位データなどから、南鳥島の震災前後の移動速度を分析した。震災前は西北西に年間約8センチの移動で、少なくとも1980年代末から安定していたが、震災後に約8.8センチに加速し、14年まで速度が維持されていることを確認した。
日置教授は「さらに長期にわたって観測データを分析し、移動速度がどう変わっていくかを追跡したい」と話している。〔共同〕