天皇陛下「歴史学ぶことが大切」 新年迎え所感 - 日本経済新聞
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天皇陛下「歴史学ぶことが大切」 新年迎え所感

天皇ご一家は1日、新年を迎えられた。天皇陛下は年頭にあたっての所感を宮内庁を通じて文書で公表された。今年は戦後70年の節目に当たることから、「この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」とつづられた。

昨年は大雪や大雨、御嶽山の噴火により多くの人命が失われたことや、東日本大震災から4度目の冬を迎えても原子力発電所事故の影響で地元に戻れずにいる人々が多いことなども案じられた。そのうえで「それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ、地域を守っていくことが、いかに重要かということを感じています」と記された。

天皇、皇后両陛下は昨年、沖縄、長崎、広島の各県で戦没者を慰霊し、今年は太平洋戦争の激戦地となったパラオ訪問が検討されている。

ともに80代となった両陛下の公的活動については、宮内庁が年齢にふさわしいものになるよう見直しを進めており、両陛下は今年から「こどもの日」と「敬老の日」にちなんだ福祉施設訪問を若い皇族方に譲られる。

宮内庁は新年にあたり、天皇陛下と皇后さまが昨年詠まれた歌計6首を発表した。

【天皇陛下】

〈神宮参拝〉

あまたなる人らの支へ思ひつつ白木の冴ゆる新宮(にひみや)に詣づ

〈来たる年が原子爆弾による被災より七十年経つを思ひて〉

爆心地の碑に白菊を供へたり忘れざらめや往(い)にし彼(か)の日を

〈広島市の被災地を訪れて〉

いかばかり水流は強くありしならむ木々なぎ倒されし一すぢの道

【皇后さま】

〈ソチ五輪〉

「己(おの)が日」を持ち得ざりしも数多(あまた)ありてソチ・オリンピック後半に入る

〈宜仁親王薨去〉

み歎きはいかありしならむ父宮は皇子(みこ)の御肩(おんかた)に触れまししとふ

〈学童疎開船対馬丸(つしままる)〉

我もまた近き齢(よはひ)にありしかば沁(し)みて悲しく対馬丸思ふ

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