2019年2月21日(木)

原油安、長期金利下押し 低インフレ続く見方

2014/12/12付
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原油安の影響で低インフレが続くとの見方が強まり、主要国の長期金利が一段と低下している。日本では11日、新発10年物国債利回りが一時0.390%と1年8カ月ぶりの低水準を更新した。欧州各国も過去最低圏にある。世界市場で株価が不安定になり、投資マネーが安全資産とされる国債に向かったことも、金利を押し下げた。

原油は米国指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の取引価格が11日、一時1バレル60ドル台前半まで下げ、5年5カ月ぶりの安値をつけた。WTIは6月から4割下落している。

原油価格の下落はガソリンなどの値下げにつながるため主要国景気にとっては追い風となるが、金融市場は原油安の行き過ぎを懸念する。11日の日経平均株価は前日比155円安と3日続落した。原油安がエネルギー関連企業の収益を押し下げると不安視し、世界的に株高の流れが一服した。

金融市場で目立つのは主要国の長期金利の低下だ。日本は新発10年物国債利回りが2日続けて0.4%を下回り、昨年4月の大規模金融緩和の導入直後に記録した過去最低金利(0.315%)に近づいてきた。

欧州でも11日の長期金利はドイツが0.6%、オランダは0.7%、フランスも0.9%と過去最低圏で推移する。景気が堅調な米国も一時2.2%を下回った。米連邦準備理事会(FRB)は10月に量的緩和を終え、来年にもゼロ金利を解除する見通しだ。利上げ観測が浮かぶ中での金利低下は異例だ。

金利低下の要因は、原油安で各国の物価上昇圧力が弱まり、低インフレが続くとの見方が強まっているためだ。日本では日銀の大規模緩和が長引くとみられ、ユーロ圏も欧州中央銀行(ECB)が量的緩和に踏み切るとの観測があり、金利をさらに押し下げている。

投資家がリスクを回避する姿勢を強めていることも金利低下につながっている。中国の株価急落やギリシャの大統領選出を巡る混乱で、先進国の株式市場は不安定さを増している。投資マネーは価格が安定して安全資産とされる国債へと向かいやすくなっている。

長期金利の低下は企業や家計の借入金利も押し下げる。みずほ銀行は10日、企業向け融資の指標の一つである長期プライムレート(最優遇貸出金利)を1.10%と過去最低に下げた。住宅金融支援機構の長期固定型の住宅ローン「フラット35」も12月の適用金利が1.56%と最低を更新した。

金利低下は企業の設備投資や家計の住宅購入を促すため、通常は景気や物価の押し上げに一定の効果が出る。ただ、足元の市場の動きは世界的な景気減速懸念が発端で、SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは「世界的な金利低下がしばらく続きそうだ」と指摘する。

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