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JR山田線、三陸鉄道移管へ前進 JR東「30億円負担」

東日本大震災で被災し運休が続く岩手県のJR山田線の宮古―釜石間(55.4キロ)を第三セクターの三陸鉄道(岩手県宮古市)に移す案が大きく前進した。JR東日本と交渉してきた県は25日、沿岸12市町村長らに「JRが一時金として30億円を負担する」などの交渉内容を説明した。一時金が当初の5億円から大きく上積みされ、移管実現の可能性が高まった。

県は盛岡市で開いた首長会議で、JRから(1)30億円を負担する(2)車両を無償譲渡する(3)軌道を強化する(4)検修庫・施設管理拠点を整備する(5)人的にも支援する(6)観光客誘致などで協力する――などの提案があったことを報告した。

今後、12市町村は議会や住民に説明する。県と市町村は12月議会などを経て年内に改めて会議を開き、受け入れるかどうかを最終決定する。

達増拓也知事は会議後「金銭のほか人や物の面での協力の提案もあった。(JRが線路を)復旧した後に三鉄に移管しても(経営が)持続可能な内容で、県として前向きに受け止めている」と話した。

三鉄の望月正彦社長は「旧国鉄から今の路線を引き継いだ30年前は、転換のために出た交付金が1キロ3千万円だった。今回は設備も現金に換算すれば計50億円ほど。1キロ約1億円だ」とJR提案を評価した。移管が決まれば「久慈と大船渡に分散する運行司令部などの拠点を宮古に集約したい」との意向も示した。

4月に全線復旧した三鉄に挟まれた山田線の宮古―釜石間は震災後、手つかずのままだ。JRはバス高速輸送システム(BRT)を提案したが地元は「あくまで鉄路復旧」と拒んだ。そこでJRは1月、三鉄への移管案を提示、10年間の赤字補填分などとして5億円を負担するとしていた。

県と12市町村が今回のJR案を受け入れれば、JRが線路を復旧して三鉄に移すことになる。運行再開時期の見通しは明らかになっていない。JRは復旧費を約210億円と試算、140億円を負担するとしているが、残り70億円は県などが国に支援を求めている。三鉄は久慈―盛を一貫運行すれば約1割の増収になると見込んでいる。

山田線沿線の大槌町にある福幸きらり商店街の山崎繁会長(66)は「一日も早く復活させてほしい。高校生の通学の送り迎えをする親や祖父母の負担が大変だ」と話す。ただ移管のときには同町などには新たな財政負担が発生する。同町職員は「30億円の内訳が分からない。町の財政がどうなるか見極めるため追加資料が必要になるかもしれない」と話している。

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